後遺症へのワクチンの関与

コロナ後遺症報告
今回御紹介するのは貴重な報告です。著者は英国NHSの看護師だから当然3回目、場合によっては4回目の接種も済ませた上での感染でしょう。家族も同様のはず。「2020年、2021年の2年間で合計12カ月以上にわたってコロナ病棟で勤務してきたが、その間コロナに感染することはなかった」。そんなプロフェッショナルが感染してしまった。でもそれだけであれば、ここでは取り上げていません。

なぜなら感染のエピソードだけならば「95%の抑制効果なんて嘘だったことは初めからわかっていたこと。BA.nの感染力が強いからやむを得ない」で諦められるでしょうから。感染力が強くなる=弱毒化=重症化率も死亡率も下がる。それを実感するだけのはずだったから。

後遺症へのワクチンの関与の可能性
なのに後遺症なんて絶対におかしい。本来自然軽快を示すはずのウイルス感染症で感染症状が一旦快復した後、新たに日常生活にも支障をきたすほどの重篤な全身症状と高次脳機能障害が生じ、それがさらに数週間以上も遷延するなんて、私はそのような症例の経験がありません。私でなくても、誰がどう考えてもおかしい

ギラン・バレー症候群は神経根レベルの病気ですから、高次脳機能障害は起きません。類縁疾患であるフィッシャー症候群では脳幹部病変を思わせる症状を呈しますが、これほど明らかな高次脳機能障害は起きません。

著者は全く触れていませんが(触れたくないでしょうが)、この報告は重大な問題を提起しています。未接種者における同様の後遺症の頻度を既接種者(1/2回?3回?4回?)と比較することを目的とした研究の実行可能性です。

研究を妨げるもの
圧倒的多数の人達が接種をしてしまった国/地域では、このような研究の頑健性を担保するのが非常に困難です。ワクチンファシズムが世界中を支配してしまった現状では、この種の研究に対する社会的なインセンティブが生まれません。

それどころか、ワクチン接種者に生じたコロナ後遺症の報道がワクチンのプロモーションに使われる、倒錯した世界に我々は生きています。もっともそれを「倒錯」と意識できるのは、ごく一部の非国民だけでしょうが。

一家揃ってコロナ感染、後遺症のリアル  ピネガー由紀の「英国NHS看護師の現場ルポ」 日経メディカル Aナーシング 2022/07/18 (抜粋 太字は池田)

 私は2020年、2021年の2年間で合計12カ月以上にわたってコロナ病棟で勤務してきたが、その間コロナに感染することはなかった。

 しかし2022年6月上旬、ついにコロナに感染してしまった。次女がまず感染し、次々と家族間で広がった。最後に私が感染した。おそらく感染源は次女の学校だろう。あれだけコロナ病棟で感染対策に神経を尖らせていたのだが、あっけなく家族全員が感染してしまった。

 幸い症状はインフルエンザのような感じで、入院することなく在宅療養で済ますことができた。しかし問題はその後だ。この原稿を書いている現在、発症から3週間半が過ぎたが、I am still on sick leave(いまだに私は病気休暇中)。それどころか、I’m struggling to carry out the everyday activities.(日常生活に支障を来している)。

 今回は英国でのlong COVID(コロナ後遺症)と英国NHS(National Health Service:国民保健サービス)のsick leave(病気休職)、sick pay(病気休職中の給与)について書いてみたい。

自分の書いた原稿の下書きが理解できない…
 WHO (世界保健機関)はコロナ後遺症を「発症から3カ月以上」と定義している。この定義によると私は現時点ではコロナ後遺症とは言えないようだが、私のように症状がダラダラと続いている人は世界中で見られるようだ。私の症状はshort of breath(息切れ)、persistentcough(長引く咳)、headache(頭痛)、fatigue(倦怠感)、brain fog(脳の霧:霧がかかったようにぼーっとしてしまう)etc。特にfatigueとbrain fogの影響は大きく、自分の生活に支障を来している。

  例えば、今書いているこの原稿。コロナ感染前と同じようなペースで進めることができない。私は執筆前に、段落ごとに大ざっぱな下書きを用意するのだが、コロナ感染後は自分が作った下書きなのに内容が理解できないのだ。何度も読み返し、やっと理解して原稿にまとめていくまで、相当な時間がかかる。

  原稿を書き出しても、自分が何を書いているか途中で分からなくなってしまう。また倦怠感も酷く、1日に何度も横になっている。こんな調子のままでは、多忙な外科ユニットに復帰して仕事をこなしている姿は、とても想像できない。インスリン注射やらIV与薬を扱うなど、考えただけでも恐ろしくなる。

(中略)

  それでも民間企業に勤める夫や友人のケースを見ていると、コロナによるNHS職員の病気欠勤は比較的恵まれていると感じる。コロナ後遺症はまだまだ研究途上にあり、今の段階ではどのような症状がどれほど長引くのか、確定的なことは分からない。分かっていることは、多くの人がコロナ後遺症で苦しんでいるということだ。

 その数はさらに増えることが予測される。医療面でのサポートとケア、さらに職場や社会の認知と理解がますます必要とされるだろう。これが今後、「コロナと共存」していくために求められることではないかと思う。

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