あなたは、なぜ、自分が患者「様」という呼び名が大嫌いなのか、その理由を突き止めたことがあるだろうか。いまだ、よくわからないのであれば、教えて進ぜよう。
あなたが、患者「様」という呼び名が大嫌いなのは、それが、患者を金づるとしか考えない、差別用語だからだ。
商売人は、金を払ってくれる人を御客様と呼ぶ。金を払わない人は窃盗犯とか万引とか無銭飲食とか呼ぶ。決して客とは言わない。もちろん「御客様」とは言わない。これが、商売人の差別である。
あなたは、自分を商売人ではないと思っている。金のために商売しているのではないと思っている。太平洋の向こう側と違って、その人に支払い能力があるかどうなんて、救急外来受診時から退院時まで、一切心配することがない。
金を持っていようとなかろうと、全て「患者」である。支払い能力で人間を差別しない。金を持っていないからといって治療を手抜きすることなんか金輪際ありえない。支払い能力なんてものは事務方や経営者の心配することであって、医療者たる自分は、ひたすら目の前の「患者」に集中する、誇り高い職業人なのだ。
だから、あなたは、患者「様」という呼び名が,そして,患者を金づるとしか考えない連中が大嫌いなのだ.
◇ 経産省研究会 医療「産業化」の視点で検討(日刊薬業 2009/9/9)
受診目的の外国人旅行者を受け入れる「医療ツーリズム」の促進や新たな健康関連サービス市場の創出策を検討する経済産業省の「医療産業研究会」(座長=伊藤元重・東京大経済学部長、大学院経済学研究科長)の初会合が8日に非公開で開かれ、医療が有力な成長分野であり、産業化の視点で検討することが重要という考えでほぼ一致した。医療機関が日本の公的保険の中で収益を上げることの限界を指摘する意見も出た。次回開催は11月頃で、来春に報告書をまとめる。