再び患者様について

お客様は神様だという.では,もし,ある人物が,”あの人はお客さんだから,神棚にでも祭り上げておけばいい”と評価された時,あなたはその人物に対して,どういう印象を持つだろうか.

医療者は患者から学ぶはずではなかったのか?医療者が患者から学ぼうとする,患者も医療者から学ぼうとする.同じ勉強仲間ではないのか?

私は,外来診療実習を通して学生・研修医と一緒に勉強する時に,診察を始める前に,相手の患者さんに,”私達二人のやりとりは,ちょうど掛け合い漫才と考えてください.私と○○さんの二人一組,二人三脚,その漫才を通して,学生・研修医がこれから勉強します”と 説明する.その時,私は決して様付けで呼ばない.一体全体,どこの誰が,自分の大切な仲間を様付けで呼ぶだろうか?

様付けは仲間はずれの烙印に他ならない.様付けは,貴重な仕事仲間として認めていないと相手に最後通牒を突きつけることだ.何と悲しい風習が広まってしまったのだろうか.

参考文献:患者の新しい役割.前田 泉,徳田茂二.患者満足度 p151-p154.日本評論社.

「患者様」と呼ぶのは変だ

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