「ワクチン無効」だけでは済まない問題ブレイクスルー感染におけるヴァイローム解析の意義
「25人中24人が2回接種済みの病院クラスターが意味すること
問題の背景:ワクチン接種後のウイルス排泄
日本の定期接種には生ワクチン(経口)のポリオワクチンが指定されていましたが、2012年9月からは注射の不活化ポリオワクチンに切り替わりました(ポリオワクチン - Know VPD!)。従って以下は10年近く前の古い記事ですが、それだけにわかりやすく書けているので引用しました。

ポリオの生ワクチンは、病原性がほとんどないポリオウイルス(弱毒ウイルス)をワクチンとして飲むことによって免疫ができ、自然のポリオウイルス(野性ウイルスまたは強毒ウイルス)の侵入が防げるものです。しかし生ワクチンの欠点として、極めて稀に、ワクチンを飲んだ人に自然のポリオと同じ様な症状が現れてしまうことがあります。これがポリオワクチンによる麻痺例 (VAPP) で、日本では約440万回接種あたり1件、数年間に1件生じていました。
 またポリオのワクチンを飲んだ人の便からは、弱毒のワクチンウイルスが、1〜2カ月間排泄され続けますが、これがポリオの免疫のない人の口から入ってしまうことがあります。その多くは、ワクチンを飲んだことと同じで免疫がなかった人に免疫が出来てしまうことになりますが、ワクチンの場合とやはり同じで極めて稀に自然のポリオと同じ症状が現れてしまうことがあります。またワクチンを飲んだ人の便から現れる弱毒のウイルスが、遺伝子の構造上毒性が自然のポリオウイルスに近い形の変異株となっていることもあります。これらをあわせて、ポリオのワクチンを飲んだことのある人の家族などからポリオと同じ症状が現れてしまうことが日本ではこれまでに約580万回の接種あたりに1件ほど出ていました。現在日本では、これらの極めて稀なポリオの副反応をさらに少なくするため、新しいワクチン(不活化ワクチン)の開発が進行中です。日本医師会 ポリオワクチンでポリオになる?
25人中24人が2回接種済みの「クラスター」???
わざわざこのような昔話を引用したのは、下記の記事を読んだからです。仮にもワクチンです。本来ならば新型コロナの感染を防ぐはずです。いくら効果がなくなったからといって、25人中1人だけ1回接種で残りの24人が2回接種済みだったなんてことがあるでしょうか?

病院でのクラスター 25人中24人が「ブレイクスルー感染」群馬(NHK 2021/9/22)
群馬県は、伊勢崎市の病院で25人が新型コロナウイルスに感染したことが新たに確認され、クラスターが発生したと発表しました。このうち24人はワクチンを2回接種してから2週間以上たったあとに感染が確認される、いわゆる「ブレイクスルー感染」だということで、県は国にも依頼して原因を調べることにしています。クラスターが発生したのは伊勢崎市の原病院で、県によりますと20日から22日までに入院患者17人と職員8人の合わせて25人の感染が判明しました。25人は10代から80代の男女で、このうち1人はワクチンの接種が1回でしたが、残りの24人はワクチンを2回接種してから2週間以上がたっていたということです。新型コロナウイルスの症状が重症化した人はいませんが、これだけ多くの人が1度にいわゆる「ブレイクスルー感染」したと分かったのは、県内で初めてです。原因はわかっておらず、県は国にも依頼して調べることにしています。

障子紙のない障子と化したワクチン
専門家の先生方は「ブレイクスルー感染」とやらで「まれに」感染する「ことがある」と説明なさいました。しかし今やその説明も破綻し過去形のみで語られています。なぜならば、ブレイクスルー=突破は、そもそも大前提を必要とするからです。その大前提とは「突破口以外のところは強固である」。一方ワクチンが形成していたのは、大東亜戦争も負け戦の局面で設定された「絶対国防圏」もかくやと思われる程の画餅でした(事例研究 絶対国防圏の成立と崩壊―能力の限界を超えた目標の設定―)。
    障子紙のない障子を猫がくぐっても「ブレイクスルー」とは言いません。「ブレイクスルー」の大前提がそもそも存在していなかったことが明らかとなった今、25人中の24人がワクチン2回接種者だったという事実は、ブレイクスルー仮説の破綻、ワクチンが障子紙のない障子だったことの新たなエビデンスを提供しました。しかしこれだけなら(まだあるの?)「ブレイクスルー感染は我が国におけるコロナとの戦いが絶望的抗戦期にあることを象徴している」と評論家面していれば済むことです。ところが本質的な問題はそれよりもさらに深刻なところにあります。

「大本営発表」の陰にまたしても「報道しない自由」

そもそもなぜこのニュースが大々的に報道されないのでしょうか?重度のクラスター依存症を患いあれほど炎上商法にどっぷり浸かったメディアがだんまり?、そして日本全国がパニックにならない?どうもおかしい。またしても伝家の宝刀「報道しない自由」か?何を隠しているのか?そこで真相究明のために、まずできる限りこれまでにわかっていることだけで、メディアの沈黙を説明してみましょう。

大々的なワクチンキャンペーンの過去:25人全員が接種済みで24人が2回接種完了なんて当然。だって病院だから入院患者にも職員にも全員にワクチンが接種されてるでしょ。
効かないワクチンの周知:1945年3月10日、玉音放送の5ヶ月以上前、東京が焼け野原になった時点で日本の無条件降伏はわかっていた。それと同じこと。「ブレイクスルー」なんて臍が茶を沸かす。ワクチンが全然効かないのは、もうみんなが知っていること。
●ただの「コロ」:新コロ様がお隠れになり、ただの「コロ」(俗称 季節性コロナウイルス感染症)になったのも、もうみんなが知っていること。だからこそみんな勝手に5類を決め込んで行動している。
非国民が遺棄したメディア:メディアの炎上商法に対しても怒りを通り越して呆れて飽きたからみんなが放置プレイを決め込んでいる
メディア側の危機感:メディアの方もここまで来て炎上商法を続けては、新東京裁判で被告席に招待されることになるとの危機感を抱き始めた(ほんとかよ)。

「効かないワクチンの接種推進」「新コロがただのコロ化」「勝手に5類」「非国民に対してマスゴミが白旗(嘘つけ)」。以上の条件が全部揃って初めて、「25人中24人が2回接種済みのクラスター」が放置プレイ扱いの大本営発表になっている。そう説明できるように見えます。しかしあくまでそう見えるだけです。マスゴミの体質は全く変わっていません。彼らはまたしてもワクチンの重大な欠陥を隠していました。

ワクチン接種者からコロナウイルスが排泄されている可能性
 上記の条件の中で、「病院だから入院患者にも職員にも全員にワクチンが接種されている。だから25人のクラスターの中で24人が2回接種なのは当たり前」という判断によって消去されてしまった素朴な疑問「なぜまた病院のような感染対策に熱心な場所で25人ものクラスターが生じたのか?一方で、もっとクラスターが発生しやすいところ。20時までの営業・アルコール無しの制限を課されて非国民扱いされている飲食店でも、三密を回避できない各家庭でもクラスターが生じないのか?ましてや今は全国的に”感染者数”が激減しているのに?」を忘れていませんか? この疑問を忘れなければ、「ひょっとして全員がワクチンを接種している病院という場所だからこそ(!)「クラスター」が生じたのではないのか?それって「院内感染」じゃないの?」という新たな素朴な疑問が湧いてくるはずです。そうして初めて冒頭のポリオワクチンの事例が思い浮かびます。このワクチン接種後のウイルスの排泄はポリオ以外のいくつかのワクチンでも報告されています。必ずしも無症状とは限らず、ポリオ生ワクチンの場合には極希にではありますが典型的なポリオになることがありましたし、麻疹の場合にも同様の事例があることが下記の論文で紹介されています。
国立感染研 感染症情報センター ポリオの予防接種
日本医師会 ポリオワクチンでポリオになる?
Poliovirus excretion following vaccination with live poliovirus vaccine in patients with primary immunodeficiency disorders: clinicians’ perspectives in the endgame plan for polio eradication.
Symptomatic Post Vaccinal Excretion of Measles in the Nasopharynx: a Report of Nine Cases

VDCV (vaccine-derived coronavirus):ワクチン由来のコロナウイルス検討の緊急性
既にこれまでの「ブレイクスルー感染」がVDCVであった可能性も否定できないのですから事態は緊急を要します。「ウイルスの由来がたまたま外だったか体の中からだったかの違いだけ」、「体の中に残ったmRNAが作り続けたウイルスをだらだら排泄させてばらまく。それが集団免疫になるのならそれでいいじゃん」。そうやって呑気に開き直っている場合ではありません。今回はポリオよりも更に厄介です。なぜならば経口ではなく、筋肉注射だからです。体の中から追い出すわけにいかないのです。

1.「効果がないどころかワクチンがウイルスをばらまいていた」というデマが拡大しワクチンへの不信感がこれ以上増大する前に完全に叩き潰しておく必要性。
2.ワクチン接種済みの医師・看護師が免疫不全の患者に接して重症コロナウイルス感染症に陥らせてしまうという悪夢を回避する必要性
3.VDCVの脅威を等閑視しワクチン接種を継続することによる健康被害の拡大を回避する必要性。

いずれも緊急性を要しますが、とくに3は国家の政策としてのワクチン行政に立ち直りが不可能なほどの致命的な打撃を与える可能性が大です。血友病HIV/AIDSでは国賠訴訟(民事)だけでなく刑事訴追も行われました。脅かすつもりは毛頭ありません。誰もが認める事実です。ディオバン事件で完敗を喫した特捜は「今度こそ医事案件での勝利を」と思って手ぐすね引いて待っているはず。対応が遅れれば遅れるほど国民の声は刑事事件化の方向に向かうでしょう。三十六計のうち最上策を採れる人は今のうちにそうすべきです。拠ん所ない事情で採れない人は神に祈ってください。

ブレイクスルー感染におけるヴァイローム解析の意義
ワクチン由来のコロナウイルスが体の中に棲みつく。正に悪夢ですが一方で希望もあります。感染症以外の病態においてはウイルスの関与の可能性を示唆することはできても否定するのは一般に非常に難しい。しかし次世代シーケンサー[1]を応用したヴァイローム (virome) 解析に期待が持てます。脳悪性膠芽腫に対するウイルスの関与をヴァイローム 解析によって否定した研究が既に2016年に出ています[2]。脳悪性膠芽腫でできたものが感染症でできないわけがない。このヴァイローム解析を応用すれば、ブレイクスルー感染に対するVDCVの関与も否定できる可能性があります。一方不幸にしてブレイクスルー感染に見えた症状がVDCVによるものだと判明した場合でも、VDCVのgenotype、接種者のgenotype、接種者のphenotype(ウイルス排泄状況、症状・経過の特徴等)を総合的に考えて、以後の治療・疾病管理に役立てることもできます。得られる結果の如何にかかわらずブレイクスルー感染におけるヴァイローム解析は緊急性・社会的要請が共に極めて高い研究だと私が考えるのは以上のような理由によります。

幸い東京大学医科学研究所と感染研のグループが既にヒト組織ヴァイロームの網羅的描出を行い[3]、既に論文として発表し[4]、新型コロナウイルス感染症を含めたさまざまなウイルス研究に応用・展開しています。これまで日本のCOVID-19臨床研究が欧州・米国に大きな遅れをとっていたことは否めません。確かに競争が厳しい分野ではありますが[5]、ここで何とか一発逆転の大きな業績を期待したいところです。

2022/4/9追記
抗原原罪の可能性もあるのでは?
免疫系が病原体に最初に出会った時の記憶に固執し、変異株感染時に柔軟で効果的な反応ができなくなってしまう現象が「抗原原罪 (original antigenic sin)」です。(中略)
抗原原罪の作用機序では、抗体が感染症から守ってくれるとは限らず、むしろ新規免疫の獲得を抑制し、変異株に対する感染防御を脆弱にします。ADEとはまた別の仕組みで、ワクチン接種が逆にウイルス感染を促進してしまうという事で す。現行のコロナワクチンは武漢型コロナウイルスのスパイクタンパクをベースにデザインされていますが、現在この株のウイルスは既にほぼ収束しています。 初期の武漢型などの特定の株の特定のタンパクに対して偏った免疫は現在流行中の株、または今後登場するであろう変異株に対する防衛をむしろ阻害しかねませ ん。コロナワクチンを大量接種した国でコロナウイルスの感染爆発が起きている原因は、ADEに加えて抗原原罪の機序も考えられるのではないでしょうか。(ワクチンと抗原原罪 荒川 央 2021年11月22日 より抜粋

1. Shiamazawa R. Ikeda M. Regulatory perspectives on next-generation sequencing and complementary diagnostics in Japan. Expert Rev Mol Diagn 2020;1-10. doi: 10.1080/14737159.2020.1728256.
2. Strong, M.J., Blanchard, E., Lin, Z. et al. A comprehensive next generation sequencing-based virome assessment in brain tissue suggests no major virus - tumor association. acta neuropathol commun 4, 71 (2016). https://doi.org/10.1186/s40478-016-0338-z
3. ヒト組織ヴァイローム(ウイルス叢)の網羅的描出−健常人の体内における"隠れた"ウイルス感染の様相−
4. Kumata, R., Ito, J., Takahashi, K. et al. A tissue level atlas of the healthy human virome. BMC Biol 18, 55 (2020). https://doi.org/10.1186/s12915-020-00785-5
5. Long COVID or Post-acute Sequelae of COVID-19 (PASC): An Overview of Biological Factors That May Contribute to Persistent Symptoms

合衆国でもワクチン無効
新コロバブルの物語
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