大阪振動裁判の経過概要と池田の関与
(以下は谷口恭先生のメールマガジンからの抜粋に、私の関与(専ら意見書が中心)を書き加えたものである)
2020年12月に、
それまで2007年1月から14年に渡り、大阪市北区太融寺町4丁目の「すてらめいとビル」の4階で診療を続けてきた谷口医院の階上に、何の挨拶もなく突然入居したキックボクシングジム「リフィナス」。重症患者やコロナ疑いの
患者さんが受診していてもおかまいなしに振動・騒音をつくりだし、「対策をとってほしい」とお願いしても完全に無視。対策の工事を2021年4月末にした、と言っているが、振動・騒音はまったく変わらず、工事をした証拠を要求しても返答なし。ついにはレントゲン室の通路の壁やサーバー室の天井にヒビが入りだしたがそれを伝えても無視。
「(2021年)6月20日を
目途に新たな工事をする」と申し入れが文書で届いたが、一向に工事が始まる様子もなく、7月になり、なんと「やっぱり工事はやらないことにした」という通
知が当院の弁護士に届いた。ビル側に対しては、そもそもこんな(鉄筋ではなく)単なる鉄骨の構造のビルに、「階下にクリニックがあると分かっていながらジ
ムを入居させること自体がおかしいのではないか」と当院の弁護士がビルに申し入れをおこなったが返答なし。
「レントゲン撮影時に大きな振動が起こると危ない」ことを伝えると、なんと「ならばレントゲンを撤去せよ」という回答が届いた。家賃未払いもなく、当院を
かかりつけ医にしているビルの職員もいるのに、当院をビルから追い出そうとしているとしか思えないその対応はなぜなのか……。そこで裁判を起こし、「当初
の約束どおり防振工事をしてください」と、当院がジムとビルを訴えた。一級建築士が測定した振動のデータを裁判所にも提出したが、ジムもビルもそれを認め
ない。
このままでは裁判所がジムに防振工事を命じたとしてもかなりの年月がかかる。それまでに振動による針刺し事故を起こすのも時間の問題だと考え、不本意ながらも「閉院」を決意し、2023年1月4日、それを公表した。しかしながら、予想以上に「閉院は困る」という声が多く、再び物件を探し始めることに。2023年6月5日、ついに新たな物件の契約が成立した。そして8月14日から新天地で新・谷口医院を再開した。
そんななか、旧・谷口医院が入居していたビル(すてらめいとビル)が、「谷口医院がビルの4階を不法占拠していた」という訴えを起こしてきた。判決が下さ
れ、「原告(すてらめいとビル)の請求を棄却する=谷口医院の全面勝訴」というものだった。すると、ビルは判決が不服だとし直ちに控訴。しかし、どういう
わけかその控訴を撤回し、これにより「不法占拠問題」は谷口医院の完全勝訴が確定した。
「振動問題」はすでに谷口医院が移転をしたため「約束通り防振工事をしてください」から「移転にかかった費用を請求します」に変更した。2025年3月24日の大阪地方裁判での判決は谷口医院の全面敗訴。「64dBの振動がいつ起こるか分からない状態での針刺し事故のリスクは医師と看護師が担え。振動を起こす者にも振動を起こす者を入居させる者にも罪はない」が判決内容だった。
参考:階上キックボクシングジム振動裁判は谷口医院の全面敗訴
https://stellamate-clinic.org/blog/monthly/13732/
事件番号:「大阪地方裁判所令和4年(ワ)第540号大地16民3B係」
第1回期日:2022年3月9日午前11:30 大阪地方裁判所本館608号法廷 終了
判決:2025年3月24日 谷口医院の敗訴(池田注:判決書は池田意見書を完全無視。その存在にすら一切触れず)
控訴審:「大阪高等裁判所令和7年(ネ)第101 6号 第3民事部ロ1係」
第1回期日:2025年7月23日終了
判決:2025年9月26日 谷口医院の敗訴(池田意見書は控訴審でも完全無視)