2007/9の日内会誌教育講演まとめ ワクチンよりも処分,ブタだけを目の敵にするのも,ネコよお前もか?,SARS対策の応用,狼鳥そして虎,トリインフルエンザの流行止まず
2007/9
2007/9の日内会誌教育講演まとめ
日内会誌2007年9月号に,4月に大阪で行われた日本内科学会総会での教育講演,「鳥インフルエンザ(H5N1)感染症の現況と今後」を読んで、私が参考になったと思った3点を下記に抜き出しました.
○新型インフルエンザの死亡者を予測することは困難である.たしかにスペイン風邪の死亡率は極めて高かったが,68-69年の香港型では通常と変わらなかった.ちなみに,厚労省は17万人から64万人と推計している.首都圏の直下型地震の際の推計死亡者数11000人と比べると如何に大きな数字かわかる.
○少なくともパンデミックの初期ワクチンが切り札とならない理由,1)どの株がパンデミックを起こすのか,実際にパンデミックが起きてみないとわからない 2)従って,有効なワクチンは,パンデミックの初期には間に合わない 充分な量のワクチンが供給されるまで少なくとも半年から1年かかる。
○新型インフルエンザに対する抗ウイルス薬の有効性も一切不明(池田注:そもそも通常のインフルエンザに対する有効性でも,症状を緩和するだけであって,死亡や入院といったハードエンドポイントで有効性が検証されているわけではない)
2005/7
夏のインフルエンザ
沖縄ではインフルエンザの流行が伝えられています.
沖縄県感染症情報センター
の2005/7/21の報道発表資料によれば,
”年齢別では、0-4歳、5-9歳、30-39歳でそれぞれ100人を超えており、次いで、10歳代、20歳代での報告が多く、冬シーズンとは発生状況が少し異なっています。
県内で4月以降確認されたウイルスは、A香港型(H3N2)が7例、B型はありません。なお、この株はH16?H17シーズンのインフルエンザワクチンに含まれる株です。
この時期にインフルエンザ流行注意報の発令は、過去16年でも例がなく夏場でも油断はできませんので、広く県民へ注意を呼びかけます。
”
とあります.
菅谷憲夫著”インフルエンザ”(丸善ライブラリ)によれば,
●スペインかぜの場合サモア,タヒチなどの熱帯の島々が壊滅的な打撃を受けた
●日本での死者数は35万人だったのに対し,インドでは1250-2000万人,インドネシアでは150万人が死亡した.(欧州全体でも230万人,北米では60万人)(ちなみに,第一次世界大戦の兵士の死者総数は800-850万人:Dupuy
& Dupuy 1970, p990))
●スペインかぜの欧州での第一波の流行はは1918年の春から初夏であった.
●1957年のアジアかぜの日本での第一波の流行は5-7月だった.
新型インフルエンザに限っていえば,新型ゆえに,免疫を持っていない人ばかりだから,伝播する力も強く,極めて迅速なため,多少の季節性の壁も乗り越えて大流行すると考えてしまいがちですが,夏の流行は新型に限ったわけではないようで,
2005年7月22日の病原微生物検出情報(IASR)によれば
ベトナムのインフルエンザ流行シーズンは6-8月および12-3月だそうで,現在(7月)はAH3型とB型インフルエンザが流行しており、患者発生数も多いとのこと。
そこで冬季流行に関して一般に流布している仮説ですが,以下のどちらも検証困難,つまりまともに証明されていないと思えますが如何でしょうか.温度のことに触れた仮説がないようですが,これは,低温と感染症の因果関係には,”心理的に”仮説を立てにくいからでしょうか
1.冬に空気が乾燥しているとインフルエンザウイルスが浮遊(??)しやすい.
2.冬に空気が乾燥すると粘膜が乾いて”粘膜防御力(??)が低下する”
結局のところ,北半球の温帯では冬季に流行しやすいことは事実だが,高温多湿の時期に流行がある地域も地球上にはたくさんあるようです.流行の季節性の本当の原因はわからないのでしょうか? わからないと自信を持って言っていただけるだけでも助かりますので,どなたかご教示願います.
2004/10
ワクチンよりも処分
ワクチンの使用を含めたアジアにおける高病原性トリインフルエンザ制圧方法についての更新:
OIEおよびFAO合同新聞発表:2004年9月27日,FAOとOIEは,トリインフルエンザアウトブレイクは世界的に重要な危機であり,トリインフルエンザウイルスは近未来には根絶されない可能性があると発表した。OIEと密接に協力して準備され今回新たに発表された,アジアにおける高病原性トリインフルエンザの予防,制圧,および根絶に関するFAO勧告は,制圧計画を作成し実施する際に考慮されるべき諸要素を評価し,各国がいかに自国の状況に制圧戦略を適切に適用するかを説明している。最近のトリインフルエンザに対するワクチン接種に関する論争に対応して,OIEとFAOは感染した動物の処分がトリインフルエンザの制圧と最終的な根絶の最良の方法であると繰り返している。2つの機関によるトリインフルエンザアウトブレイク制圧のために,ワクチン接種を行う際の注意点の指摘などが記載されている。(2004年9月28日更新)
ブタだけを目の敵にするのも
たしかに,ブタの体の中だけで遺伝子組み替えが起こるわけじゃないよな.人間の体の中でだって起こるよな.だから,ブタを目の敵にしたり,中国南部を諸悪の根源と考えるのも間違いだよな.
SCIEH Weekly Report Vol.38, No.35 2004年8月31日号
ブタが遺伝子再集合に果たす役割は,いまだよくわかっていない。ブタの体内で自然にウイルスの再集合がおこり,流行をおこす新型ウイルスが出現したということはこれまでのところ確認されていないが,それがおこる可能性は無視できない。遺伝子再集合のおこる可能性は,H5N1ウイルスのブタで循環している期間と,ヒトおよびブタのA型インフルエンザウイルス(H3N2もしくはH1N1など)の共存する期間の両者に依存する。ヒトとトリのインフルエンザウイルスが共に循環している間は,それがヒトの中であろうがブタの中であろうが,それらのウイルスの間での遺伝子交換の可能性が存在する。
ネコよ,お前もか?
今すぐに,あなたの身近にいる猫を始末するような無謀な真似はしてもらいたくないが,こういう情報が歪んで伝わると,昨年,学校で飼っている鶏があちこちで処分されたような事件が起こらないとも限らない.
トリインフルエンザ,ネコ:H5N1型株感受性(ProMED厚生労働省検疫所 海外感染症情報 2004年9月4日掲載)情報源:National
Geographic News,9月2日。
「ネコがトリインフルエンザウイルスに容易に感染し,別のネコに感染伝播し得ることから,家禽がトリインフルエンザH5N1型株に感染している地域では,ネコがベクターの役割を果たしている可能性を意味するものである」と,オランダRotterdamのErasmus医学センターウイルス科獣医病理学者Thijs
Kuiken氏が指摘した。「ネコはある養鶏場から他の養鶏場へウイルスを感染伝播させ,人間にも感染伝播させる可能性がある」と,2004年9月3日版「サイエンスScience誌」掲載論文の著者でもあるKuiken氏は述べた。Kuiken氏とその同僚は、鳥インフルエンザウイルスがネコの気道から吸入された際や、感染したニワトリをネコが捕食した際に、発病させうるかを調査した。
研究者らは、3頭のネコの気道へとH5N1型ウイルスを吸入させた。別のネコ3頭は感染したニワトリを餌として与えられた。結果として、第1群の3頭と同じケージで飼育された2頭のネコがウイルスに曝露された。(以下、あくまで実験室における動物実験のため、必ずしも野外で同じ現象が起きているとは断言できないものの、予想以上にネコのH5N1型感受性が高く、野外でも養鶏場間や鳥からヒトへの感染伝播ベクターとして働いている可能性があることを指摘する記載、後略。)〔論文掲載ウェブサイトアドレス:http://www.sciencemag.org/cgi/rapidpdf/1102287v1.pdf〕
<http://news.nationalgeographic.com/news/2004/09/0902_040902_birdflu.html#main>
2004/9
SARS対策の応用,トリアージ外来の設置と医師会の出番
SARSは指定感染症になって、行政的な意味では疑似例およびSARS患者と診断された患者様が勧告や措置の対象になる。しかし、迅速診断法のない現状で、行政的線引きはできても臨床的には病態に線引きはできない.疑似患者に満たない疑い例などの症例は、一般医療機関が診療することになる。そこで、指定感染症としての線引きから外れた、しかしSARSの可能性のある症例(国立感染研の提唱する要観察例など)に対して行政的なアプローチではなく、やはり地域で対応する方が対策を立てやすい.SARSに限らず,感染症が診療できるトリアージ(振り分け)外来のできるところとできない施設を分けて、地域内で協力することが重要である
地域で対応することの意義は,情報を地域に伝え、まず地域住民の意識を高めることである.例えば,インフルエンザのワクチンを接種し、SARSが流行した場合、発熱、咳嗽のある患者様は自発的に事前に連絡し、指定されたトリアージ外来にマスクをして受診するという流れができる
実際には,医師会を中心に連携できるシステムを構築する必要がある。とくにトリアージ外来をいくつか設置しておくことがまず必須.そしてそれを進めるのは行政ではなく医師会を中心とする地域医療である.
こういったSARSへの対応体制はそのまま新型インフルエンザへの対応に応用できる.SARSは新型インフルエンザへの予行演習の機会を与えてくれた,神の配慮である.この配慮を無駄にしてはならない.
”国民皆保険の死守”とかいうスローガンを怒鳴りつづけるより,こういう活動の方がどんなに国民から評価されることか.
2004/8
狼,鳥,そして干支を待たずに虎の出現
日本ではすっかり忘れられているが,アジアでも東南部では,トリインフルエンザの流行は夏でも盛んである.もはや,完全に定着してまったというべきだろう.ベトナムでは3人死亡例が出たが,日本では全く報道されない.鳥年を控えて,この冬はまた鶏肉を巡って大騒ぎになるばかりでなく,新型インフルエンザの出現も確実となった.
トリインフルエンザ:中国のブタにおいてH5N1を検出
本日(2004年8月20日),中国ハルビン獣医学研究所(Harbin Veterinary
Research Institute)の研究者が,中国国内の養豚場のブタがトリインフルエンザH5N1株に感染していたという初めての証拠を発表した。この証拠は,本日,北京で開催されたSARSおよびトリインフルエンザに関する国際シンポジウムの中で表を用いて発表されたが,詳細な支持データはなかった。WHOはこの研究に関する確認および詳細情報の提供を要求した。
今度の冬が危ない.SARSという後門の狼がしっかり生きている上に,いよいよ前門の虎がお出ましというわけだ.虎年まではとても待ってはくれないだろう.牛ごときで騒いでいる場合じゃないんだが.
2004年8月12日,ベトナム保健省がトリインフルエンザH5感染が確定したヒト死亡例3例を公式に報告した。これらは3月以来初めて報告されたH5のヒト症例だった。
The Weekly Epidemiological Record (WER)2004年8月6日号 Vol.79,No.32
トリインフルエンザ?現状の評価(2004年7月30日現在):
東南アジア地域における一時的な静止期後,高病原性トリインフルエンザA(H5N1)のアウトブレイクが再び中国,インドネシア,タイおよびベトナムにおけるニワトリおよびアヒルで報告されている。タイでは76県中21県でアウトブレイクが報告され,ベトナムではアウトブレイクが国内の北部,中央部および南部で報告されている。これらのアウトブレイクの多くは,互いに明らかな疫学的関連性がないことから,A(H5N1)型ウイルスが今や広く分布し,蔓延している可能性が非常に高いことが示唆された。鳥類におけるアウトブレイクは,ヒトの健康に対する著しい脅威となる。
OIE Disease Information 7月9日号Vol.17 No.28
タイにおける高病原性トリインフルエンザ?Follow-up report No. 18:
今回報告終了日2004年7月7日
新規アウトブレイク?Ayadhaya(Ayuthaya)県の1件,PathumThani県の1件
新規アウトブレイクにおける感染群の概要?産卵鶏
新規アウトブレイクの動物総数?トリにおいて疑い例26850例,症例(少なくとも)1620例,死亡820例,処分25230例
病因-高病原性トリインフルエンザウイルスタイプAサブタイプH5
OIE Disease Information 7月9日号Vol.17 No.28
中国における高病原性トリインフルエンザ:
(中国における前回の高病原性トリインフルエンザアウトブレイクがOIEに報告された日時:2004年2月)
報告日2004年7月6日
動物の健康異常の初回検出日?2004年6月28日
初回感染推定日?2004年6月24日
アウトブレイク?安徽省の1件
アウトブレイクの動物総数?トリにおいて疑い例8160例,症例1850例,死亡1520例,処分6640例
病因-H5N1トリインフルエンザウイルス
2004/6/4:トリインフルエンザの流行止まず
前回のこのページへの書き込みから,1年以上がたった.その間,東アジアを中心とする鳥インフルエンザの流行,人への感染例の発生,社会的パニックがあった.その流行をなんとか消し止め,今は小康状態に見えるが,散発的な流行はおさまっていない.日本での流行が収まった時点でも,世界的には,下記のようにあちこちで流行が見られている.おそらく,全世界的に流行を終息させることは困難であろう.大切なのは,人への感染を防止し,ヒト・トリ混合感染から発生する新型インフルエンザウイルスの出現を阻止することだが,これだけトリインフルエンザの制圧が困難となると,ヒトへの感染リスクも一年を通して存在することになる.
スペイン風邪の時は,ある冬にいきなり大流行がやってきたのではなく,その前から,夏あるいはそれ以前から小さなアウトブレイクがあったはずだ.(たしか文献的にもはっきり記載があったように思う.ご存知の方は教えてください).ということは,新型ウイルスの発生防止もさることながら,新型ヒトインフルエンザの発生をいち早く検出して,ワクチンの生産を含む予防体制を整えて必要があることになる.
Disease Information 5月7日号Vol.17 No.19
カナダにおける高病原性トリインフルエンザFollow-up report No. 6:
今回報告終了日?2004年5月3日
2004年5月3日現在,管理区域全体で,大規模商業養鶏場40ヵ所がトリインフルエンザ検査陽性と確認されている。
Disease Information 5月14日号Vol.17 No.20
インドネシアにおける高病原性トリインフルエンザ?Follow-up report No.
3:
今回報告終了日2004年5月12日
新規アウトブレイク:3地区(以前の感染地区3ヵ所において新規症例が報告された。新規症例は2004年3月末に発生し,2004年4月16日ー30日に報告された。感染した州は合計14州,92地区である。)
新規アウトブレイクにおける感染群の概要:産卵鶏,ブロイラー,地鶏,ウズラ
新規アウトブレイクの動物総数?トリにおいて死亡6610例
病因:高病原性トリインフルエンザウイルスタイプA,サブタイプH5N1
2003/5/16
SARSの影に隠れて目立たないが,トリインフルエンザの非常に稀な,人への感染がオランダで問題になった.
Dutch veterinarian becomes first victim of avian infuluenza. Lancet
2003;361:1444
H7N7型のトリ型インフルエンザが,ある養鶏場で流行し,そこで働いてた職員と獣医に感染した.死亡したのはその獣医(57歳)だった.オランダ政府は濃厚な接触があった例には抗ウイルス薬と(人間型)インフルエンザワクチン接種を行うことを薦めていたが,その獣医は養鶏場を一度訪れただけで,濃厚な接触とは考えられていなかったため,抗ウイルス薬は服用しなかったという.なお,トリ型インフルエンザに感染した人に,(人間型)インフルエンザワクチン接種を行うのは,トリ型インフルエンザに感染した人が人間型インフルエンザに混合感染し,その人の体内でトリ型と人間型の遺伝子組み替えが起こって新型が生まれるのを防ぐためである.オランダ政府はかつての香港と同じように,鶏の大量屠殺を行った.その写真は上記のランセットの記事に掲載されているが,まるでアウシュビッツのようである.
とはいえ,今回のこの記事で,新型インフルエンザの出現を防ぐための手段を我々は持っていることがよくわかった.問題は,このようなしっかりした方策が,新型インフルエンザ発生のリスクの高い地域で実行可能かどうかである.特にSARSの発生地となった広東では人間,アヒル,豚が濃厚な接触を保ちながら生活しているので,新型インフルエンザのリスクが世界中で最も高い地域である.SARSの時もそうだったが,広大な中国では,今回のオランダ政府と同様の施策が可能だとは思えないからだ.
2002/7/1
John McConnell. News: Ready for the next influenza pandemic?
Lancet 2002;359:1133
Is the global health community prepared for the next infuenza pandemic? The answer is a clear no.
新型インフルエンザの出現間隔の平均値は25年だが,前回の1968年の香港カゼ以来,34年がたっている.間隔が開くほど,免疫を持っている人が少なくなるから,それだけ被害が大きくなる.
上記の記事では,もし,新型インフルエンザの流行が起これば,全人口の2割から3割が感染し,全人口の6%が肺炎を併発し,全人口の1%が入院を必要とし(日本では120万人),全人口の0.6%(日本では72万人)が死亡するとしている.
太平洋戦争での日本人死者が230万人と言われている.4年間で230万人だから,半年以内で72万人が死ぬというのは,新型インフルエンザは戦争より2倍以上効率がいい人殺しということになる.テロ対策とか有事法制より,こっちの対策の方が先だろうに.
一方,1997年に出たわが国の新型インフルエンザ対策検討会の報告書は,大分控えめな数字を出しているが,それでも,少なくても3−4万人,多ければ10万人以上が死亡するとしている.ちなみに,原爆による推定死者数は広島が14万人,長崎が7.4万人とされている.
一方,過去の香港カゼの経験から言って,ワクチンを製造し,接種可能になるまで,半年かかる.そのワクチンさえも,製造能力があるのは先進9カ国に過ぎない.一朝事有れば,これらの国々は,自分の国を最優先し,他国にはワクチンを回さないだろう.ワクチン供給に関する国際的な取り決めは何もない.抗ウイルス薬にしても似たり寄ったりの事情である.
C Y Cheung and others. Induction of proinflammatory cytokines in human macrophages by influenza A (H5N1)viruses: a mechanism for the unusual severity of human disease? Lancet 2002;360:1831-37
鳥型インフルエンザに人間が罹るとがなぜ重症化するかという疑問に対して,オクスフォードのグループが回答例を呈示した.鳥型インフルエンザH5N1は,敗血症の主な原因物質である大腸菌のリポ多糖と同じぐらいの強さで,マクロファージでのサイトカインとくにTNFα産生を増加させるが,人型インフルエンザに感染させたマクロファージではTNFα産生は増加しなかった.
ところがTNFα産生を増加させる原因になったのは,ウイルス表面にあって型別の指標となる糖タンパクではなく,内部にあるNSgeneであった.これまで,マクロファージの機能に対するNSgeneの役割は知られていなかった.今回証明されたTNFα産生増加はin
vitroではあるが著明なものであり,臨床症状もこれで説明できる可能性が高いと思われる.