誰も責任を取らない仕組み
−彼らに責任を取らせるには−
臨床試験/研究の実施主体が保険をかけるのは法律でそう定められているからです。そうでなければ、誰も責任を取りたくないので保険なんかかけやしません。実際に2017年4月に臨床研究法が成立するまでは被験者を守る保険自体が存在しませんでした。表を見ながら記事を読み進めてください。
富士フイルム富山化学の制御できぬ“国策薬”、コロナ治療薬候補「アビガン」(ダイヤモンドオンライン 2021/10/7)
(前略)
あれから1年半。アビガンは未だに適応追加できるだけの結果が出せず、観察研究も治験も継続中だ。きちんと承認を得たワクチンや治療薬が登場するなかで、一部の熱狂的な“アビガン支持者”を除き、世間の関心も薄れつつある。それでも、列車は走り続けた。アビガンに付けられた予算は粛々と執行され、研究も依然として進められていた。そんななか、ついに恐れていた出来事が発生する。妊娠していた可能性のある患者に、アビガンを投与してしまったのだ。(中略)

無策で責任を投げ出す厚労省
 問題の妊娠疑い患者への投与事例が一部の医療従事者に知られたのは、今年の6月のことだ。アビガンの供給元である富士フイルム富山化学は、同社による治験や藤田医科大学が主導する観察研究に参加する医療機関へ、注意喚起の文書を配布。「投与開始前の妊娠検査で陰性が確認された患者において、投与後に本剤投与時に妊娠していた可能性があることが判明した症例が報告された」と説明した。観察研究に参加する医療機関から報告があったのだという。この観察研究、「どうしてもアビガンがほしい」という患者や医師への受け皿になっている実情がある。「観察研究への参加」を条件に、備蓄薬のアビガンを提供するという立て付けなのだ。

 観察研究なので臨床研究法のルールも適用されなければ、適応外使用なので医薬品医療機器法の承認条件にも引っかからない。倫理審査委員会への諮問は求めているが、それも適応外使用の手続きが済んでいれば、投与後でいいとされている。よく言えば「柔軟」、悪く言えば「緩いルール」だ。

 果たして問題は1例だけだったのか、胎児に影響はなかったのかなど、詳しいことは「個人情報」を理由に富山化学も藤田医大も開示していない。富山化学は「大学の観察研究で起こったこと」、藤田医大は「企業が調査したこと」と本誌に話しており、お互いに説明を押し付けあっている状態だ厚労省も無関係ではない。観察研究には厚労省の補助金と、国が買い上げたアビガンが提供されており、厚労省の全面支援のもとに実施されているからだ。

 しかし厚労省側も、この観察研究を所管する新型コロナ対策推進本部の反応は鈍い。すでに注意喚起などの対応は済んでおり、観察研究の見直しといった「追加の対応をする予定はない」というのだ。挙句の果てには、投与前に催奇形性のリスクの説明や患者同意も取っており、研究への参加は「本人の責任。患者がきちんと理解できているかは現場医師の判断だ」と語った。

「それは厚労省がきちんとしたリスク管理をする気がないと私は受け取る。言語道断だ」薬害被害者団体「いしずえ」の佐藤嗣道理事長は、まるで他人事な厚労省の姿勢を批判する。いしずえは、アビガンと同じく催奇形性の副作用があり、手や内臓に障害を持つ数千人の被害児を生んだ睡眠薬「サリドマイド」の被害者団体だ。佐藤氏は被害者でありながら、自ら医薬品の安全対策を研究する薬剤疫学者でもある。「完全に自費だったらともかく、国が薬を買い上げているなら、それは厚労省の責任だ」(佐藤氏)(後略)

厚労省のやりたい放題
ここまで読めば以下のことが自明となります。要は被験者の命や健康よりも、省益=獲得した予算をしっかり消化して正当化する方がはるかに大切だってことです。佐藤嗣道さんが「過去の薬害から全く学んでいない。薬害被害者を国民を愚弄するのもいい加減にしろ」と怒っているのも正にこの点です。
人体実験は無法地帯でこそ可能:被験者の人権は法があってこそ守られます。人権を無視した研究=人体実験は無法地帯で行われます。無法地帯ならば誰も責任を取りません。
アビガンでのごまかし:アビガンの研究を臨床研究でもなく、治験でもない「観察研究」という表看板にしたのは、そうすることによって法の規制を免れ、被験者に保険をかけず=余計な費用を掛けずに済むからです。この点については既に1年半前に説明しました(臨床研究無法地帯
ワクチンは小細工不要:ワクチンの場合はアビガンのような小細工をする必要さえありませんでした。なぜならば臨床研究法・薬機法はともに厚生労働省所管の法律だから=この二つの法律はあくまで国が下々の者を取り締まる法律であって、厚生労働省を取り締まる法律などこの世に存在しないからです。
厚労省のやりたい放題:コロナ患者の水増し&ワクチン死隠蔽、GCP違反、ワクチン 懐疑論に対するゲシュタポ気取り、40代〜50代へのAZワクチン&15歳未満へのワクチンといった731部隊活動、自賠責やらずぶったくり、打ち手のための任意保険も無し。このように他の研究・臨床試験では絶対できない、反社会活動・人体実験がやりたい放題だったのも、それを取り締まる法律がなかったからです。
人命よりも予算消化が最優先事項:有効性が否定され、リスクだけを与える。重大な倫理違反の人体実験を野放しにして続けさせる。普通に考えたら正気の沙汰とは思えません。なのに続ける理由はただ一つ。予算を消化するためです。止めたら最後、会計検査院/財務省から、なんでこんな人体実験を支援していたのだ。税金の無駄遣いであるだけでなく、国民に対する背信行為だと言われて次年度以降の予算請求に大打撃を与えます。そんな言質を与えないために人体実験を続けているのです。(他に理由があったら、どうぞ教えてくださいませ)
組織ぐるみ・国ぐるみ:上記の内容は全て公開されている事実に基づいています。何かしらの秘密情報を暴いたわけでは決してありません。取りも直さず、研究を遂行している医師・研究者、新型コロナ推進対策本部といった関係者全てが了解して行われていることです。

彼らに責任を取らせるには

以上のようなやりたい放題は決して日本でだけ起こったわけではありません。むしろドイツやアメリカといった表向き先進国でもっと酷いことが起こっています。しかし薬害訴訟が起こったのは日本だけです。もはや逃げ場のない厚労省の御役人様達におかれましては、せめて今からでも先輩方のご苦労も勉強なさった方がよろしいかと存じます。→日本は世界一の薬害訴訟大国

新コロバブルの物語
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