日経もまた滅び行く
−有能な人材が去り、愚か者だけが残った組織の末路−
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都の接種証明、登録数%どまり 飲食店も活用慎重(2021年12月4日 日経新聞)
東京都内の飲食店で新型コロナウイルスのワクチン接種証明の活用が遅れている。都の接種証明アプリの運用開始から1カ月たつが、登録者数は都内全体の数%
にとどまる。店側も顧客ごとの確認に手間がかかるなどとして活用を敬遠する。新たな変異型「オミクロン型」が登場するなか、感染対策がなし崩しになれば第
6波を招きかねない。(以下略)
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↑この記事を見て(見ただけ、読んではいない)
記事の趣旨を最も好意的に捉えても「感染防止と経済活性化。この両方を実現する切り札が接種証明です。みなさん接種証明を活用して千客万来を復活させましょう。さもないと恐怖のオミクロン様の祟りがあるぞよ」。そして日経の内情を踏まえて最も率直に考えると、「日経にはこんな記者しかいないのか。そいつが書いた記事を『今週のベスト3』に選ぶような編集者しかいないのか。わずかながらいた優秀な人材はみんなとっくの昔に逃げちまって、おつむの足りない不良品だけが残ったんだな(注*)」
上記記事が日経の運命を象徴している理由を、武士の情けで示しておきます。
●この記事を書く以前に、なぜ接種証明そのものが普及しない(申請されない=市民に嫌われている)かが理解できない。
●つまり、2回も接種を受けて副作用に苦しんで、ようやく接種証明を取得しても、まだマスクも手洗いも続けなくちゃならないなんて、人を馬鹿にするのもいい加減にしろという国民の皆様の気持ちも理解できない。
●「活用が遅れている」のは店側の「感染予防の努力の欠如」が原因であると決めつけ、真の理由が理解できない。
●つまり、接種証明の「活用」により「お客を差別する店」という烙印が押されるリスクを店が嫌っていることを理解できない。
●「そんな飲食店の態度こそが感染爆発を招いてきたのに、未だに悔い改めない、有り難いワクチン接種証明を活用しない連中には、恐怖のオミクロン様による天罰が下るであろう。そうなったら、また感染爆発の炎上商法で叩いてやるぜ」そんな陳腐な恫喝が自分達にどう跳ね返ってくるのかも理解できない。
*注:新聞社で人員削減が進んでいるのは、「製作・印刷・発送部門」で、「編集部門」は左程減っていません。(製作・印刷・発送部門が大きく減少…新聞社従業員の部門別推移(ガベージニュース 2021/10/14)下記はその記事からの引用です。上記の記事を読む限り、あの不動産会社でさえ経営に苦しむ中で(コロナ直撃!朝日新聞11年ぶりの赤字)、メディア・コンテンツ専業の日経が同業他社と同じ運命を辿る可能性はかなり高いと考えざるを得ません。
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紙媒体における「新聞」の売上(販売部数)が今後増加する見込みは立ちにくい。デジタル方面での収益化も模索段階で、少なくとも現行スタイルの「広告収益」「有料配信による課金収入」の様式では、紙媒体の減少した売上を補完するまでには至っていない(無料購読者はそれなりに多いが広告収益は微々たるもの。有料配信は購読者が期待数には程遠い)。売上の減少は販売収入と広告収入で
同時に起きており、新聞社の基礎体
力をますます減らしていく。経費部門で大きなウェイトを占める人件費をいかに効率化の上で減らしつつ、「商品」の質を維持しつづけるのか。課題のハードルは高い。
しかもそのハードルの飛び越え方を間違えると、自らの長所すら失いかねない。例えば複数の新聞社では調査の共有化を推し進め、リサーチ費用の削減を狙っているが、情報ソースの画一化は各新聞社の分析能力の低下と相まって、「どの新聞を見ても同じことしか書かれていない」といった個性を損なう状況に自ら追いやってしまう。そして没個性化はさらなる新聞離れを引き起こしかねない。一方、個性、他社との違い・個性を見出そうとするあまり、「報道」の領域を大きく離れ、機関紙・個人紙と何ら変わらない内容の記事を堂々と掲げる新聞が増えているのも否定できない。
業界を構成する人員の減少と、質の減退が比例状況で起きることのないよう、業界関係者には知恵を絞ってほしい。もしそれが叶わないとなれば、販売部数の減少は必然で、マイナススパイラルからの脱出は難しいと断じざるをえまい。
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