ネッシーのことなんかわかりませんよと,すげなく断ったんですが,それでもどうしても知りたいっていう人がやっぱりいるでしょうから,少し書きます.
ネッシーというのは,貧乏なスコットランドにふさわしい最高の観光資源です.なぜなら,宣伝費はいらないし,維持管理も全く必要ないからです.このネッシーの存在価値というのは,いるのかいないのかわからないことにあるのです.もし,いるとわかってしまえば,やれ記者会見だの,コマーシャルに出ろだの,連続ドラマの主人公にどうですかだの,うるさいことこの上ないでしょう.挙げ句の果てにMorarにいる姪というのが実は愛人だったとか,Loch Lomondに隠し子がいただのすっぱ抜かれれば,幻想的なイメージが台無しです.
逆にいないと断定されても,最高の観光資源を失うのでスコットランドとしては非常に困るわけです.ですから,いつまでたってもいるんだかいないんだか曖昧模糊としている所にネッシーの価値があるわけです.
この点は非常に重要で,我々に生きる知恵を与えてくれます.つまり,自分の存在を誇示するでもなく,否定するでもなく,非常にあいまいにしておけば,自分が傷つくことなく,また他人を傷つけることなく,自分がどうしても必要な存在として大切にされる,そういう道があることを教えてくれるからです.
そうすると,自分のホームページを作って自分の写真を載せるなんてのは,愚の骨頂ということになりましょうか.
2016/4/14 追記
ネッシー発見! のはずが=ネス湖底から映画セット
Loch Ness Monster hunters disappointed after 'Nessie' find at bottom of loch turns out to be 1970s film prop