納豆文化圏の歴史的展開


2005/5:ジャカルタから

ジャカルタ在住の三谷里江子さんからお手紙をいただいた.

はじめまして。インドネシア?ジャカルタからお便りいたします。
テンペについて調べていましたらこのサイトを見つけました。

新潟県でもテンペを作っている工場があると以前新聞で読んだことがあります。(昔
ながらあったわけではなく、インドネシアから入ったと聞いています。)
インドネシアではテンペはよく食べられており、道端の屋台でも揚げて売っていま
す。大きさも様々です。料理法は甘辛く味付けをしたものや薄い溶き粉をつけて揚げ
てたべるのがここでは一般的です。
また発酵食品なので、まわりが白く、バナナの葉に包んでこちらでは、スーパーなど
で売られています。大豆発酵食品ですが、納豆とは異なるのかもしれません。

日本の納豆はこちらの人たちは臭い、ねばねばしている、なんでこんなものを食べる
の?といわれるくらい不評です。残念ながら・・・・・・。
日本にあるかどうかわかりませんが、テンペの専門書が出ています。
「Mumbuat TEMPE&ONCOM」です。和訳されたものがあるといいの
ですが・・・。



2003/5:広島から
池田正行 先生
はじめまして。いちぜん会というベンチャーにかかわっております高橋と申します。このページを拝見し、メールさせていただきました。
よろしければ、「妄説 納豆の歴史」をご笑覧下さい。

上記論稿では、納豆が東北日本でよく食べられることについての説明が不十分です(西日本でも納豆は食べられていました)。このことについても機会があれば述べたいと思っています(気温が高いと二次発酵で濃いアンモニアが発生するなど)。ご意見・ご感想などいただけましたら幸いです。

拝復 高橋様
メンテナンスを怠って立ち枯れてしまったページをご覧いただいた上に,お手紙までいただき,ありがとうございました.力作を拝読させていただきました.本格的な論説ですので,引用文献をお示しになったらいかがでしょうか.

なお,日本経済新聞がウィークエンド版の”食べ物新日本奇行”で納豆を取り上げています.
これまで,すき焼きの具に何を選ぶかの日本地図をはじめとして意欲的な研究成果を発表していますので,ご覧になることをお勧めします.

敬具 池田正行


2001/10:本場茨城県の深尾さんより
狂牛病の正しい知識を求めているうちに「納豆文化圏の歴史的展開」に遭遇しました。
ウエットタイプの納豆の起源のヒントになるかもしれないし、ならない かもしれないことを前置きにして「日本昔ばなし」のなかの1話を思い出しました。
貧しい二人の旅人が食糧としてゆでた豆を藁に包み持ち歩く途中、空腹 を満たすために悪臭を放つゆで豆におそるおそる手をつけると、それが体調を崩すどころか大変美味であることを発見した。
というような内容でした。 かつてテレビ放映されていたあの番組で見た記憶がありますがどこの地方のものか、タイトルさえ憶えておりません。

池田注:日本昔話はビデオシリーズになっているので,その中にこの話があるかどうか・・・ 


2001/10:インドからのお便り:
インドからです・・・
インパール作戦で有名な、インド東北部の マニプール州では、豆を二つ割りにして竹ヅトににいれ、発行させたものを 食べてます・・ 味は納豆です・・
マニプールの人にひき割り納豆を 奨めるととても喜びます・・・

池田注:うーん,日本の兵隊が持ち込んだとは思えませんな.それどころじゃなかったはずだから・・・今の日本でも,インパール作戦があちこちで展開されていますねえ.会社でもお役所でも・・・ 


2001/8:吉永一郎さんから,インドネシアの「テンペイ」
今日は、どんな意見でもとあるので、
インドネシアに「テンペイ」と言う納豆によく似た食習慣があります。 どちらかと言えば干し納豆のような物で、天ぷらの様にし利用しています。イスラム国で豚が食用に出来ませんので貴重な蛋白源のようです。   
2001/4:"ツバキ"さんから以下のような情報をいただいた.

干し納豆のことですが、 茨城県つくば市では、普通のスーパーで、「干し納豆」の固いタイプと、半生タイプが売っています。両方とも、お茶うけ、もしくは、お茶漬けにして食べるそうです。どちらも強烈な匂いがします。農家などでは、納豆を大量に買ってきて、冬場に自宅で作るそうで、そのための大きなパックも売っています。

池田コメント:お茶漬けはまだしも,お茶うけですか・・・・うーん,納豆好きの私としてもご遠慮したいですな. 


98/9/28:ドライ納豆の現物入手
筆谷真春さんから,ドライ納豆の現物を寄贈していただいた.塩豆よりも香ばしく,また塩豆ほど硬くない.酒のつまみにぴったりです. 
97/6/2:モンゴルの納豆
鉄火場のかずちゃんからのレポート.モンゴルの納豆について.
日本のネバネバした納豆と間違えられるボールツァクと云う物があるそうです.しかしこれは現在ほとんど食べられないらしい.それは大豆なのか聞いたのですが,あまり要領をえません.

件の会長さん,ライオンズクラブの仕事で日本くんだりまでやってきて,何でじゃんけんのことやら納豆のことやら聞かれなきゃならないんだと,さぞ目を白黒させていたことでしょう.かずちゃんの特派員としての努力に深く感謝します. 


97/5/23:アラバマからニュージャージーへ
丹波嘉一郎君(アラバマ州,バーミングハム在住)から:
丹波君もNJ/USAのTake-Ohtaからの説は聞いたことがあるという.丹波君もご両親ともに神戸出身なのだそうだが,ご幼少のころから納豆は食べ慣れているそうな.

(池田注;関西人だから納豆は毛嫌いするというのは,どうも間違っているようだ.Aberdeen在住のひろこさんは生粋の浪速っ子だが,納豆が大好きなのである)

彼はこういうレポートもしてくれた.

「干し納豆」という食品はご存じでしょうか。約10年ぶりに栃木へ戻り、「JA南河内」なるスーパーもどきの店で一升瓶にはいった「干し納豆」という代物を発見。これは正に、匂いがしないなんてものではなく、「堆肥」の香りでありました。面白半分に買ってみたものの塩分も多くとても食べられませんでした。(だから栃木は塩分摂取量が未だに全国一位で、脳卒中が多いんだ。).最近の若い人は「干し納豆」の苦手な人も多いようですが、栃木県の県南から茨城県県西にかけては年配者が好んで食べておられるようです。

こちらでは、豆腐はAsian marketでなくても、普通のスーパーで売ってますが、日本のより美味です。

池田コメント;干し納豆については下記,Mummy Gejoのレポートも参照のこと. 


97/3/22:納豆腐?
NJ/USAのTake-Ohtaからは,学生時代,

日本名”納豆”はあの大豆の腐りかたからして、本来”豆腐”と呼ぶのが正しいではないだろうか?
また”豆腐”はあの大豆のエッセンスの固まりという製法からしてあれこそ”納豆”ではないか?(つまりエッセンスというかエキスを納めたものだ)

といった講義を受けたとの報告あり.おそらく毎年同じ話をしているだろうから,この講義に心当たりの方は当該教授に確認されたし. 


97/3/10:やはりドライが本流なのか?
ビールばかりではなく,納豆もドライがメジャーになるのだろうか?以下,Mummy Gejoのリポート

何と、日本航空ほめぱげの通販で乾燥して揚げた納豆を売っていた!! その名も
 “ドライなっとう”!!  ぱんぱかぱぁ〜〜〜〜〜〜ん♪
ショッピング・アーケードのJALワールド・ショッピング・クラブの“ORIGINAL GOODS”をクリックし てみよう!
うををををを〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。(池田注:ここはいかにも星 飛雄馬/伴 宙太風.お年が知れます)あるではないですか、“ドライなっとう”。 


96/3/6:果たして中国起源なのか?
コードネームmummyことMayumi Gejoからは以下の報告あり.
納豆のルーツはやはり、味噌や醤油同様中国だそうです。中国には豆を発酵させたモノがあるらしいんです。発酵させてパラパラに渇いたものが。それが京都に伝わり、東北・北陸方面に広がっていくウチに現在のねばねばタイプへと進化し、国内発祥の地である京都では、いつの間にか消えていった様です。この話は私も又聞きなので、定かな根拠はありませんが。

納豆………確かに朝御飯の蛋白源には、お手軽ですね。 ウチでも朝よく食するので、特売日には納豆を求めてスーパーへ走ります。

因みにAberdeenのHirokoサンは、ご存じの通り浪花ッ子ですが、納豆好きだそうです。

そうなのである.ひろこさんは浪花ッ子なのに納豆好きなのだ.ここのところが,納豆研究の奥深いところなのだ.真理は決して一筋縄ではその姿を見せてくれない.

私は,早速研究室の北京出身Yang Su Pingと,ウイグル出身のZhang Li Linに聞いてみた.確かに”乾燥した”納豆の類が山東地方にあるそうだ,しかし,あれほど特有の匂いはしないし,食べ方も,揚げて,砂糖とかかけて,おつまみみたいにして食べるのだそうだ.そうなると,納豆の先祖は甘納豆ということになるのか.納豆が先か,甘納豆が先か.これはにわとりたまごと同様に深刻な問題だ. 


納豆文化圏探求のきっかけ
もう20年前になる.大学1年の時の旅行先の盛岡で,一緒にいた友が,腐った豆を出したといって宿の食事に文句をつけていた.尼崎市出身の彼は納豆を見たことがなかったのだ.その時初めて,納豆を全く知らない地域が日本にあることに気づいた.
今でこそ納豆は阪神地方の店でも見かけるようになったが,つい最近まで納豆禁忌地帯が厳然と存在したのである.いや今でもあるかもしれない.
あの,強烈な個性を持った食べ物がどこで発生し,どう広がっていったのか.納豆禁忌地帯はどこにあったのか,そしてそれはどうして崩壊していったのか.それがわからないと,僕は死んでも死にきれない. 
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