MRが増える?

製薬企業がMRを増やす動きが急だという.競争が厳しいから営業を強化するためだという.人を増やすことが営業を強化することか?今,現場でMRがどういう立場にあるか,どういう目に遭っているか,会社の幹部は全くご存知ないらしい.

薬の情報は,インターネットの各サイトやメーリングリストでいくらでも手に入る.自分の会社の薬だけを売り込む人間の話を聞くぐらいだったら,玉石混交のように見えるネット上の情報を自分で吟味したいと考えるのが真っ当な医者である.私のようなものぐさでも,メーリングリストで尊敬する医者の書き込みを読むのに時間を費やしこそすれ,貴重な昼休みにアポ無しで売り込みを掛けようとする前時代的な営業マンの相手など真っ平御免だ.

まともな医者ほど,MRの相手をしている暇もないし,話を聞く必要もない.頼む仕事もない.医者がMRと気軽に話をしている姿は,患者さんにも,病院職員にも,決して歓迎されない.MRに残された仕事といえば,現場から追い出されてしまった医者の雑談の相手ぐらいだろう.それもできなければ,薄暗い廊下で忙しそうに通る医者に頭を下げてほんの一瞬挨拶するだけ.それがどれだけ売上に影響するというのだろうか.

私の話が信用できないという向きは,
Med Wave 2004年5月14日更新の”営業現場はクレームでいっぱい”をお読みいただきたい.もっと信じられないような話が載っている.

それから,マニュアル化の弊害に関しては,2004年5月13日付けの,宮崎学の本音のコラムを参考にされたい.
 

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