司法事故を考える
ー医師も検察官も神ではない.人は誰でも間違える:医療事故が起こるのと全く同じ理由で司法事故は起こるー
ー北陵クリニック事件の本質
は警察・検察ぐるみの医療事故の隠蔽と神経難病患者の人権蹂躙ですー
こんな状況にあってもマスコミは検察の発表をそのまま大本営発表のように垂れ流している。これはもはや太平洋戦争末期
と一緒。よく目を開いて見てほしい。非難する対象をみつけては「鬼畜米英」と叫び、その一方で帝国陸海軍(=特捜検察)
は不敗だという不滅神話にこだわっている。いまは戦時中そのものです。(郷原信郎)→つまり全国紙に代表されるマスコミは戦中戦後を通じて一貫して権力の番犬役を嬉々として務めて
いるわけです.ただ御主人様が軍から検察に代わっただけ.今も昔も時の権力の使いっ走りと
いうのがマスコミの悲しい定めです.
阿部泰雄弁護団長による「事件」の解説(第46回 日本の司法を正す会)
*ガダルカナル化する特捜検察 郷原信郎 検察が危ない KKベストセラーズp45-72 参考:皇軍は死なず
北陵クリニック事件(いわゆる仙台筋弛緩剤点滴事件)について、今までの詳しい経緯を知りたい方は旧司法事故を考えるを
参照してください.(古いページはいろいろな資料が整理できていなくて申し訳ないのですが,これから少しずつ整備していきます)守大助氏
は1人の殺人と4人の殺人未遂の罪で無期懲役の濡れ衣を着せられ,今でも千葉刑務所に服役中です。
そもそも事件はなかったのです。病気を犯罪と取り違えたことが、マスコミと警察の暴走を招き、検察も裁判
所もその暴走を
チェックできなかった。それがこの「事件」の本質です。なぜそんなとんでもないことが起こったのか?興味のある方は盲導犬オスカー
刺傷 事件の顛末をお読みください。病気を犯罪と取り違え、関係者が全て沈黙を守っている構図は、神経難病患者に対する人権蹂躙に対し、関係者が全て沈黙を
守って いる北陵クリニック事件そのままです。→解説スライド
国家機密とは,我々の思考停止が作り上げる幻影に過ぎません.肋骨の本数を知らない警察官が「捜査」し,実験ノートも書けない科学捜査研究
所の職員が「鑑定」し,脈の取り方も知らない検察官が「起訴」し,家庭医学書も理解できない裁判官が判決を書く。さらには、その判決の間違い
を指摘し、難病患者を認定しようとした専門医を、検察官と裁判官が仲良く藪医者と罵倒し、難病患者の人権を蹂躙する.そんな彼らは、そんな
「捜査」も「鑑定」も「起訴」も「裁判」も「判決」も、一切恥とも秘密とも改革しようとも思っていません。もし少しでも思っていたら、北陵ク
リニック事件の再審を一日でも早く始めるでしょうから。捜査、証拠に基づく起訴・立件、裁判、医事裁判にはいずれのプロセスにも科学や品質管
理の概念も全くありません。これが中世の魔女裁判と同様と非難される所以です。身なりは現代、頭の中身は中世の公務員達により、起こるべくし
て起こった事故。それが北陵クリニック事件です。
なお、私が書いているこのページも、他のメディアに掲載された記事も、日本内科学会総合内科専門医・日本神経学会神経内科専門医・米国内科
学会会員として責任を持って執筆しています。誤りや疑問点がある方はどうぞご遠慮なく私までお問い合わせください。
北陵クリニック事件
(いわゆる仙台筋弛緩剤点滴事件)とは?
どうして「筋弛緩剤事件」ではなく「北陵クリニック事件」なのか?
冤罪の背景
再審請求棄却の内情(診断編)
嘘つき(あるいは認知症)裁判長
北陵クリニック事件Q&A
参考資料
北陵クリニック事件
(いわゆる仙台筋弛緩剤点滴事件)とは?
2000年に仙台市のクリニック(2002年廃院)で筋弛緩剤ベクロニウム(商品名マスキュラックス)を患者の点滴などに混入したとして、1
件の殺人と4件の殺人未遂の罪に問われた元同クリニック勤務の准看護師 守(もり)大助氏は、2008年2月、上告棄却により無期懲役の刑が
確定し、現在千葉刑務所に入っています。しかし、実は、そのような事件はありませんでした。医師が病気を殺人と誤って認定してしまったため
に、あたかも事件があったように見えただけでした。→患者さんの解説
通常、冤罪と言えば、真犯人が別にいるはずですが、この冤罪では、そもそも犯罪が存在しなかったので、真犯人なるものも存在しません。ベク
ロニウム中毒とは全く異なる病気を、すべてベクロニウム中毒と誤診したのが、この冤罪の本質です。2001年冒頭の守氏の逮捕から今日まで、このような冤罪とそれを生んだ誤診がなぜ放置されているのかを、このページで説明していきます。
この「事件」については、それこそ質量分析の専門家と、内科診断学・神経内科・総合診療・臨床研究・研究倫理・薬物動態といった医療分野の
専門家が合同して真相究明に当たらなくてはならなかったのに、実際に起こったのは、科学・医学の素人達による科学・医学の素人達による迷走・
暴走行為の連続でした。
東北大学法医学 舟山眞人教授のちょっとした思いつきによる警察への通報が、
肋骨の本数を知らない警察官達による医療機関捜査、科
学を知らない科学捜査・鑑定、脈も取れない・質量分析機どころか理科の実験なんて中学生以来という検察官達による起訴といった、トンデモ捜査・トンデモ立
件を惹起し、挙げ句の果てに、検察官と全く同様に科学にも医学にも無知な裁判官達によって、トンデモ判決文が書かれてしまいま した。
どうして「筋弛緩剤点滴事件」ではないのか?:
筋弛緩剤はこの「事件」には関係ないからです。筋弛緩剤は殺人目的で使われたのではなく、東北大学麻酔科学教室の教室員達が行った研究、犬の実験
に使っていたのです。筋弛緩剤が俗称「犬殺し」と呼ばれるのはこのためです。大学内で犬の実験をするためには研究室から遠く離れた動物実験専用施
設にわざわざ行かなくてはならず、さらに厳密に管理が要求される筋弛緩剤を持ち込まなくてはならないため、動物はもちろん、筋弛緩剤の管理もひど
くずさんだった北陵クリニック(この点は半田康延氏もはっきり認めています)でせっせと犬を使って実験をしていたのです。当時東北大学麻酔科学教授だった
橋本保彦氏が、担当医の診断を全て否定してベクロニウム中毒であると証言した背景には、このような重大な利益相反問題があったのです。
冤罪を生んだ背景:当
時、都立広尾病院事件、横浜市立大病院事件といった医療事故が相次ぎ、マスコミが医療機関叩き・医師叩きに狂奔し、警察・検察も機会があれば医療事故を自
分たちの手柄にしようと考えていました。一方、北陵クリニックの理事長、半田康延氏は、20億とも30億とも言われる莫大な公的研究費が投入されたもの
の、全く成果が上げられなかったばかりか、
副作用・有害事象も多発した臨床研究、赤字のクリニックの経営、職員の解雇、その結果である杜撰な診療体制で生じた急変・事故と、様々な問題を抱えていま
した。守氏が殺人・殺人未遂に問われた5例の患者さんは、全てこうした臨床研究の事故や病気での急変例だったのです。
再審請求棄却の内情(診断編):再審請求を棄却した仙台地裁決定抜粋(河村俊哉裁判長)とそれに対する私の意見書。なお地裁決定全文は→こちら
市川 寛氏の「検事失格」にあるように,検察の体質は帝国陸軍そのものですが,仙台地裁の再審請求棄却は,裁判所もそういう組織だということが非常によくわかる決定でした.その
昔,シャーマン戦車に竹槍で挑む訓練が真面目に行われていた国がありました.それから70年経っても同じ国で全く同じ事を訓練どころか,実行して
しまう人々がいました.それが仙台地裁の裁判官達です.脈の取り方一つ知らない素人が,私を藪医者呼ばわりするのは,シャーマン戦車に竹槍で挑むのと全く同じこと,滑稽きわまるおとぎ話です.
再審請求審では、検察側につく御用医師が一人もいませんでした。つまり法廷で私と御用医師が対決する場面など、ついに一度も実現しな
かったので す。もはや、筋弛緩剤説を唱える医者は日本はおろか地球上に一人もいないからです。ところが、もし再審開始
の決定なんか出せば自分の裁判官生命は 終わりだと思っている河村俊哉裁判長は、何が何でも再審請求を棄却したい。だから、何もかも検察官
の言う通りにして、私を仙台地裁に呼びませんでした。もちろんそんなことをすれば、御用医師のいない席で、私に対する藪医者呼ばわ
りや難病患者の人権蹂躙を責められるに決まっているからです。 そのぐらいはわかるんですね。
ところが、再審請求棄却にあたっては、私を藪医者呼ばわりして神経難病患者の人権を蹂躙しなくてはならない。御用医師が一人もいないのに、そんなことできるわけがないし、やりたくない。だから、河村裁判長は、左右の陪席(柴田雅司,小暮紀幸) に、そのmissionim possibleを押しつけちゃったんですね。そんでもってできあがってきたのが、このとんでもない決定。解剖
学の初歩も知らないで、家庭医学書も読まずに、神経内科専門医を平然と藪医者呼ばわりするんですから、鉄面皮とか能天気とか、既存の
形容詞を通り越した文書です。みのもんたの朝ズバ!のコメント以下の内容が支離滅裂過ぎて読む気のしない方は、いかにでたらめな決定かをわかりや
すく解説した私の意見書をどうぞ。
嘘つき(あるいは認知症)裁判長:河村俊哉裁判長は再審に向けての三者協議の中で、地裁決定が出る日は1週間ないし10日前に通知すると明言していました。その決定が不満の場合には抗告することができますが、決定が出て
から3日以内に抗告しなければなりませんから、それだけの準備期間が必要なためです。しかし、実際には何の通告も無く、2014年3月25日に、
いきなり再審請求棄却の決定を出しました。もしも河村裁判長が認知症を患っているのでなければ、確信犯として嘘をついたことになります。良心があ
れば確信犯としての嘘はつけませんから、河村裁判長は敢えて憲法違反を犯したことになります(日本国憲法76条3項 すべて裁判官は、その良心に
従ひ独立してその職権を行ひ)。河村裁判長が憲法に違反してまで成し遂げたかったこと、守りたかったものとは一体何だったのでしょうか?→小関眞, 阿部泰雄 北陵クリニック事件事前通知のない抜き打ち棄却 季刊刑事弁護
2014;79:97-101
とは言うものの,そんな嘘なんて,どうでもいいことです.上記の嘘八百を並べ立てた再審請求棄却決定を満漢全席としたら,河村俊哉の嘘なんて,永平寺の朝食みたいなものですから.
このトンデモ裁判を支えてきた人々(これからぼちぼち加筆して書いていきます)
東北大学法医学 舟山眞人教授:冤罪のきっかけを作ってしまったために、東北大学法医学教授にもかかわらず、お膝元で起
こった北陵クリニック事件に対して一言も発言できない辛い立場にあります。自分の教室でもやっている質量分析の知識を生かして「科捜研の鑑定はで
たらめだ」と一言言えば、全ては解決できるのに、気づけないふりをするのも、これまたお辛い立場と、私は同情申し上げますが、守君はそうはいかな
いでしょうね。
北陵クリニック元理事長 半田康延氏 半田郁子氏:20億とも30億とも言われる莫大な公的研究費が投入された臨床研究で
生じた事故と、経営を維持するために職員をリストラした結果である杜撰な診療体制で生じた事故の数々を守氏が一人で背負ってくれたので、守氏にと
ても感謝している
宮城県警の警察官達:盲導犬オスカー刺傷「事件」同様、病気が「犯
人」だったのに、その真実が最後まで究明できずに冤罪を作ってしまった。埼玉県警にできたことがなぜ宮城県警にできなかったのでしょうかねえ。反省しないと、また同じ間違いをやらかしますよ。どんなに杜撰な捜査だったかは、魚住昭さんの取材(第十六回 証拠なき法廷)をご覧ください。
大阪府警科捜研 土橋均技術吏員(現 大阪医科大学医学部法医学)による科学なき科学捜査
仙台地方検察庁と検察官:私が彼らに対して刑事訴訟法や刑法の条文解釈について論争を挑んだとしたら,彼らはどうするでしょう
か?私にはそれがわかるから,彼らに刑事訴訟法や刑法の条文解釈について論争を挑むなんて馬鹿げたことはしません.ところが,彼らが私を藪医者呼
ばわりできるんです.そんな度胸があるわりには,再審請求審での三者協議では阿部弁護団長に何を訊かれても「完全黙秘」なんです.
仙台地方裁判所と河村俊哉(裁判長),柴田雅司,小暮紀幸の3人の裁判官:2014年3月
25日、河村俊哉裁判長は、1週間前に事前に知らせると言っておきながら、嘘をついて突然出してきた再審請求棄却決定は、私を藪医者呼ばわりするために家庭医学書も読んでいない、ひどい手抜きの文書でした。もちろん私は、脈の取り方も知らねえくせに、俺を藪医者呼ばわりするんじゃねえと、はっきり意見書を出して
おきました。
参考資料&メモ
●法的リテラシー:法は社会
で生きていく人間が自分の幸せを守るために使う重要な手段です。手段ですから、あくまで法と法曹は使うものであって、使われるものではありませ
ん。そこを取り違えて、法と法曹の下僕となり、自分で勝手に不機嫌・不安・不幸になっている人の何と多いことか。
●盲導犬オスカー刺傷事件の顛末:
北陵クリニック事件そっくりのトンデモ「事件」。犬のことならしっかり捜査できるのに、人間のことになるとろくな捜査もできない警察と扇情的な思
考停止記事に反応し、暴走する「国民の皆様」による世論が形成する「事件」。
●仮想敵と民度
●首都圏の支援組織:
資料が充実
エッセイ・コラム
●馬鹿馬鹿しいから面白い
●リテラシーは誰のためか?
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