学生に見限られる大学


”ウチの大学も教官による教育はほぼ崩壊していて、学生同士で勉強していかなきゃという感じです。そんな中、他大の方とも交流して楽しく勉強していけたら いいかなと思います。”

上記は中国地方にある国立大医学部の学生を中心とした、非常に活動的な臨床の勉強会グループのメーリングリストへの投稿の抜粋で、投稿主は関西にある旧帝大医学部の4年生 (6学年の4年目)だ。

このグループは、私のこれまでのハンマー寅さんの活動にも積極的に参加してくれて、名古屋での3回の公演には毎回5人以上の参加→ 評価してもらったので去年の10月には地元にも呼んでもらった。つい先日も、ハワイ大学の学生&教官と医療面接の1週間のワークショップを学生主導で実現 してしまうぐらいの強力なパワーを持った連中だ。

私の知っている範囲では、名古屋、滋賀、富山、新潟、信州、そして、もちろん文京区にも熱心な学生はいるのだが、この大学はダントツのパワーを持ち、かつ そのパワーが下の学年へどんどん受け継がれている。日本の医学部の中でも、彼らがなぜあれほど飛びぬけて教育に貪欲なのか?

冒頭のコメントを読んで、もしかしたら、学生が大学での臨床教育を見限ってしまった(そこまでいかなくても、非常な危機感を持っている)ためではないかと 思った。そう、ちょうど子供が塾通いするように、臨床教育を大学の外に求めた結果、ハンマー寅さんがちやほやされているのではないか?この旧帝大医学部 は、2004年のマッチングでマッチ率が一割を切る(5/53)という、大学病院の中でもダントツの惨敗を喫した。それとこの大学の学生の熱心な活動が符 合するのではないか

独立行政法人化した大学では、以前にも増して、収益重視となり、お金にならない教育には金も人も投入できない。ならばいっそのこと、教育は全部外注にしよ ううか?臨床研修必修化で、すでに外注は始まっているわけだし。

少なくとも看板の上では教育を掲げる組織が、肝心のユーザーである学生から見限られ、彼らは塾通いに精を出す。寂しい気もするが、あんなに熱心で優秀な学 生さん達が求めるのなら、受け皿を作ってやりたい。やっぱりモ バイルメディカルスクール(下記)を本気ではじめないといけないかな。

参考文献
1.モバイルメディカルスクール
2.ハンマー寅さん
3.OCSIA
 

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