科学の進歩が伝説を作る

Loch Ness Monsterの最初の目撃談は西暦565年まで遡る。それから今日までの1500年近くにわたる科学の進歩が、スコットランドにある何の変哲もない水た まりの伝説化と観光資源化に多大な貢献をしてきた。1933年に発表された有名な「外科医の写真」が、60年後におもちゃ潜水艦を使ったいたずら 写真に過ぎなかったことがわかっても、ソナー、大型超音波スキャナーを備えた数十隻の大船団による湖底調査と,最新鋭の機器が投入されながら,イ ルカ一匹見つからなくても,「科学の進歩によっても捕らえられない謎の存在」として,その伝説は逆に強化されることになった。今や、アルコット城 (湖のほとりにある,あの廃墟)も、ネス湖エギビジションセンターも、数多い周囲の食堂(ハギスが入ったScottish Pizzaは旨い!)も、土産屋も、宿も、すべてが大切な雇用の数々を生み出している。

「ネッシーなんかいるもんか」との賢しらは,あの貧乏国の貴重な公共事業資源を否定することに他ならない.「STAP細胞なんてイカサマに決まっ てる」との声が必ずしも国民の皆様の支持を獲得できないのも,「科学の進歩」による伝説化をあきらめきれない衆生の心理ゆえである.

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