(医学分野でのMEDLINEのように,判例集がネット上で集積,分類され,検索可能となり,誰でも利用できるようにするためにはどうすればいいかとの議論の中で)
> 自分の担当した案件を、一定の書式で弁護士会宛にでも提出するようにすれば実現できるかもしれないですね。
弁護士にしても医者にしても,国家資格のある免許職の人は,一匹狼でプライドが高いから,徒党を組むのを嫌うんだよね.また情報開示は人権とかプライバシーの問題と必ず相反する.だから,知識や危機管理のノウハウの蓄積が遅れてしまうんだ.
> 私が行っている予備校は、合格後の役に立つような講座を開催するのが他と違うところらしいです。元裁判官や元検事を招いて講演していただ いたり、発展途上国の法律整備に関わった人の話を聴く機会があったりします。
これはとても大切なことだ.免許をとった後の教育につながるからだ.国家資格のある免許職は国民に安全で良質のサービスを提供する使命があるのに,国家資格ゆえに競争がなくなり,護送船団から提供されるサービスの質が粗悪なまま放置されるという矛盾に必然的に陥るわけだ.医療事故が頻発する背景はここにあるが,司法サービスの場合にはもっと深刻だよ.
だってサービスの概念自体がないから,サービスの品質管理なんてシステムも存在しないんだ.医者なら(学会の手前味噌と資金源にしかなっていないが)認定医とか,専門医とか免許取得後もいくつかバリアーがある.でも,弁護士の品質管理なんて誰がやるのさ?犯罪を犯した弁護士の免許を停止するのがせいぜいだろ.また,医療事故を起こせば患者から訴えられる.でも,御前の下手な弁護のおかげで裁判で負けた.だから賠償金を払えなんてことは聞いたことがない.また,サービスの内容が顧客に全然見えてこない.例えば,医療事故裁判でどこの弁護士に相談すればいいかなんて,一般の人には全然見えてこない.
いや,別に,まだ免許をとっていないあなたを責めているわけじゃない.ただ,免許を取得してしまうと,顧客側の視点をいっぺんに忘れてしまうから,今から意識してもらいたいんだ.顧客の要望に敏感であれば自然といい仕事ができるし,トラブルの確率も少なくなる.