Mitchell R. Weinstein and others. Invasive Infections Due to a Fish Pathogen, Streptococcus iniae. N Engl J Med 1997;337:589-94.
Streptococcus iniaeは1980年代はじめより,にじます,さけ,ぶりなどに髄膜脳炎を起こすことが知られていた.この細菌は魚の表面に存在し,時に菌血症から髄膜脳炎を起こす.
今回の報告は,tilapia(魚の日本名は不明だが,写真を見ると鯛に似ている)を料理した東洋人9人に起こった手の蜂窩織炎/心内膜炎/関節炎である.
9人は40才から80才の東洋人で,8人は中国系,一人は韓国系だった.全員,生のtilapiaを料理している時に,魚の骨,ひれ,あるいは包丁で手を傷つけていた.症状は9人中8人が受傷部位から広がる手の蜂窩織炎で,一人が心内膜炎だった.ペニシリン系の抗生物質の治療で蜂窩織炎の例は10日で,心内膜炎の例は35日で治癒している.