訛懐かし(2006年9月)


故郷の訛懐かし 空港の 人ごみの中にそを聴きに行く
なあんて感傷的になれる場所じゃ決してないさ,とわかってはいても,あのいまいましい入国管理を突破して第一ターミナルの国内線発着ロビーに腰を下ろし,懐かしい訛を聞くと,この不愉快な空港に来た甲斐があったと,ほっとした気持ちになれるから,お国訛りはありがたい. 

今でこそ,カナダ人がすぐに感づくぐらい,そしてニューヨークに留学していた友人と,ノルウェーはオスロで一緒に仕事をした時,彼が私の話す英語を聞いて 大笑いするぐらい,私の英語にもすっかりスコットランド訛が根付いたが,16年前,一瞬オランダ語かと思うほど酷い訛の洗礼をいきなり受けて,なんてとこ ろに来てしまったんだと悔やんだのが夢のようだ.たまたまハイランドの旅行先で一緒になったニュージーランド人の旅行者が,スコットランド訛で喋られると 何を言っているかさっぱりわからないというのだから,関東の人間が純粋の津軽弁か鹿児島弁を聞くようなものなのだろう.

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