(ドクターGの企画に御協力をいただいた方とのやりとり)
シナリオ選択・作成に御協力いただいたばかりでなく、当日、スタジオまでわざわざ足を運んでいただき、誠にありがとうございました。お陰様で無事収録を終えることができました。
総合診療対専門診療の二項対立という概念は、前世紀まで行われていた医学教育上の誤訳に過ぎず、今世紀の正しい訳は、以下のようになると思っています。
他の診療科の医師の目を意識する・他の診療科の医師に対して自分の診療の説明責任を果たす。それが、自分の診療の質を向上させるために、最も効率の良い手段である。
ドクターGは一般向けの番組のため、検査所見を提示することに大きな制限がありますが、反面、「再現ドラマ」を作ってくださるので、診断の時間軸が非常に見えやすい構造になっています。総合医療の番組に関わっておきながら言うのもなんですが、私は総合診療が「独立した科」であるとは考えていません。池田先生は神経内科のお立場で、私はリウマチ膠原病科の立場から、「この人は初診時(前医の診察時)、どのようなpresentationだったのだろう?」と想像するとき、すでに総合診療の考え方が入ってきているのだろうと思います。時間の軸を考慮に入れると、物事は総合的に見ざるを得なくなりますし、診療の能力も向上するのだろうと思います。