学会発表の意義

-------------------------
今の病院で、○○のまとめという発表を日本××医学会でしたところ優秀演題賞をいただきました。その条件で日本××医学会の学会誌に必ず投稿するというものがあったので日本語で論文を書きました。論文はできあがって今、まさに投稿しようと思っているところです。ただ、実はこの内容はできれば国際××医学会で発表して、国際××医学会の学会誌に投稿したいと思っています。
日本語で一度投稿してしまった場合には国際誌に投稿するのは認められないのでしょうか。その辺りの決まりについてお時間ありましたら教えていただけないでしょうか。
-------------------------

-------------------------
どんなジャーナルの投稿規定にも「言語が違えば二重投稿OK」とは一言も書いてないでしょう。だから、言語が違っても立派な二重投稿です。
> 実はこの内容はできれば国際××医学会で発表して、国際××医学会の学会誌に投稿したいと思っています。
そういう意図があったのならば、日本××医学会で発表すべきではなかったのです。昔は学会のabstractならば許容されるジャーナルがありましたが(それでも10年前です)、今は、多くのジャーナルで、そしてトップジャーナルであれば必ず、(言語の異なる)学会発表であっても、発表済みのものは受け付けません。NEJMの投稿規定をよく読んでください。

つまり、論文を書く前に発表してしまったら、自分で論文を書けなくなる(投稿できなくなる)上に、学会で自分の発表を見ていた他人に真似されて投稿されても指をくわえて見ていなくてはならない
ことを意味します。しかし、この誤りは若い人の責任ではありません。日本では大した仕事もせずにふんぞり返っているオヤジ・ジジイどもが学会発表について甘すぎるのです。

学会発表は論文発表の練習では「絶対に」ありません。逆です。学会発表は、論文を書きあげて、アクセプトされたE-pub preprintのPDFを配って、「どうだ、俺はお前らなんかより、ずっと先を走っているんだぞ!」と勝ち誇る場です。国際学会、たとえば先日開催されたAmerican Heart Association AHAの報道を見てください。軒並み、NEJMやCirculationの掲載と同期していますよ。トップジャーナルに載せるような連中はみんなそうやって学会を「使って」いますよ。
-------------------------

-------------------------
早々のお返事ありがとうございます。やはりそうなのですね。もっと早い段階でそのようなことに気づけばよかったのですが、今更遅いですね。ちなみに、念のためお聞きしますが、一般化は難しいと思いますが、どれぐらい内容が変われば別の論文として投稿は可能になるのでしょうか。きっとN数が変わるとか単純なことではだめなのでしょうが。姑息な質問かもしれませんが、何かアドバイスいただけないでしょうか。
------------------------

------------------------
> 一般化は難しいと思いますが、
特に難しくありません。もう発表してしまったのだから、あっさり諦めてさっさと日本××医学会に投稿して掲載してもらうのが一番効率的な仕事のやり方です。済んでしまったことをくよくよ考えるなんて非能率的なことは止めましょう。
そんなことより、山のようにある仕事の中から優先順位を厳しくつけて、効率よく仕事をして効率よく英文の論文を書きましょう。今回は、論文を書く前の学会発表なんて、カスの役にも立たないどころか論文発表の重大な障害になることが、早くも3年目にして身に沁みて学べた。それだけでも大儲けでっせ。
------------------------

二条河原へ戻る