グラスゴーとはゲール語(ケルト語の一種で,現在でもスコットランド西岸地方で話されている)でbeloved green placeの意である.現地での発音になるべく近く表記すると,グラーズゴゥ,となって”ラー”にアクセントが来る.スコットランドの首都は人口40万のエジンバラだが,グラスゴーの人口は80万,英国第三の都市である.

18世紀から19世紀にかけては工業都市として栄華を極めたが,現在はさびついたクレーンと空っぽのドックと倉庫に象徴されるように,落ちぶれてしまった都市という印象を持つ人が多い.イングランド人の多くは,グラスゴーはやくざなサッカーファンと不景気で満たされた町だと信じ込んでいる.確かに男っぽい,気の荒い町であるが,決して危険なわけではない.人々は純朴で親切である.

首都のエジンバラが,観光都市として常に整った顔を見せているのに対して,この,何よりもスコットランド的な町は,飾るということが全くない.私がこの町に如何に魅了されたかをこれからお話ししよう.

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