外科医の本分とは?

m3の記事はほとんど読まないのだが、これはタイトルに釣られて読んでみたところ、なかなか読ませる記事だった。興味のある方は記事全文をご一読あれ。

もはや外来診療もしなくなった元内科医として、この記事を読んで思うのは、診療科にかかわらず、いや、職業にかかわらず、専門家というのはすべからく、その職場で、さらに理想的には、その業界で、自分がお払い箱になるように(お前の代わりなんかどこにでもいると言ってもらえるように)人材を育てるのが、本質的な使命ではないのかと。そして,ここで大切なのは,この使命=教育=(知識を教え込むのではなく)知恵を伝承することについては、年齢を問わない という点だ。ちょうど生意気なあなたが研修医時代から指導医を鍛えていたように。

尽くす助手とダメ米国心臓外科医ー米国心臓外科医の思う外科医とは(中編)
(以下抜粋)
尽くされすぎてダメ心臓外科医化がどんどんと進む中、ふとSA(注:surgical assistant)より手術が下手な心臓外科医ってどうなんだろう、いったい外科医と彼らの違いはどこにあるんだろう、と考えるようになりました。技術的にSAを上回ることが一流の外科医なのかというとそれは違うのかなぁと思います。それは僕が彼らよりも上手になることができないから苦し紛れに言っているわけではなく(ちょっとありますが。いや、本当にちょっとです)、根本的に役割が違うのではないかと思うのです。一度緊急やらなんやらが続いて疲弊しきっていた時、同僚の外科医から「お前はもうレジデントでもフェロー(トレイニー)でもなく外科医なんだぞ。手術で疲弊している場合じゃないだろ。手術よりもっとやることがあるだろう」となぜか軽く怒られました。もちろん手術をするのが心臓外科医の仕事で、そう言った同僚も手術が大事であることは分かっていると思うのですが、それ以外に外科医を外科医たらしめる何かがある、ということなんだと思います。

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