有病率100%

「精神分裂病患者では,しばしば病識が欠如している」 私は学生時代そう習った.それを,「何を愚かなことを」と思うまで25年かかった.随分と時間がかかったが,これでもまだ,ましな方だ.死ぬまで,健康という名の病識欠如に気づかない人間の方が圧倒的に多いのだから.

健康が何よりだと思うと,病を負って初めてわかることに気づけない.それがわかっていればいいのだが,全くわかっていない連中が巷に溢れ返るから,ひどく面倒なことになる.

彼らの病気は病識欠如では留まらない.不老不死を求めた始皇帝の真似をする.秦の時代は皇帝1人で済んだが,現代の日出づる国では,一億三千万が総始皇帝化する.有病率100%!! 最新医学を喧伝する医者,アンチエイジング効果を謳うトクホ,生活習慣病を薬で予防せよと騒ぎ立てる製薬会社が,そんな始皇帝達から,寄って集って金をふんだくろうとしているのが,最新医療の病理である.

病という資源のありがたさを知る者は,そんな狂想曲とは無縁である.「べてるの家」を見るがいい.

「勝手に治すな自分の病気」,「偏見差別大歓迎」,「弱さを絆に」,「利益のないところを大切に」,「精神病で町おこし」・・・

私からも,一つ.「過疎という地の利,病気という資源」

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