知ってる悪魔に一票
私は現職にも対立候補にも一生関わり合いになることはない。そんな奴らが太平洋の向こう側の選挙なんて、本来ならばどうでもいいことなのだが、前回は、いつも偉そうな顔ばかりしている大手メディア(太平洋の両側いずれも)の予想を裏切る結果となったので、俄然興味が出てきた。今回の選挙を利用し、自分の思考・行動の検証実験をする。そのために、無責任な評論家のようにどちらが勝つか?ではなく、自分が投票権を持った合衆国民だったらどちらに投票するか?それは何故かを記録し、結果が出た後に自分の判断を振り返る。そしてその考察を、将来、自分が当事者として難しい決断を迫られた時に役立てることにした。
まずはお医者さんらしく可能性は限りなく低いが最悪のシナリオの除外診断
合衆国が今後4年間どういう運命を辿るかというアウトカムの面では、どっちが勝っても大差はないと考える。なぜかというと、これから合衆国が直面するであろう困難の数々に対して、両者ともに上手く対応できる知恵やスタッフを持っているとは思えないからだ。どっちが勝っても結局、合衆国は大英帝国の後を追って老大国の道を辿る羽目になる。もしそれと異なる道があるとしたら;、
1)バイデン(あと1ヶ月で78歳)が勝って
2)トランプ(現在74歳)が文句を言わずに大統領の席を譲り
3)さらに就任後間もなくバイデンが亡くなって泣き言しか言えないカマラ・ハリスがたなぼた(多くの人は初の女性・アフリカ系・インド系と表現するだろうが)大統領になり
4)彼女の周囲にThe Best & Brightestが集まって合衆国はまたぞろ戦争をおっぱじめる。
という筋書きだが、最悪夢のdeja vuなので、どうか蘇ることがありませんようにという祈りと共に、このシナリオはクリスタルレイクの底にでも沈めておくことにする。
投票にあたって私が考慮した因子
●リモート選挙戦:通常の選挙戦ができなくなって、テレビ広告(というか中傷合戦)が主な選挙活動になった
●従来の選挙戦よりもはるかに金がかかる:テレビ広告には莫大な金がかかるため、主に献金で賄われる選挙費用も青天井になった
●市民を敵に回すメディア:どっちが勝とうとTVCMで大儲けするメディアは市民の敵である。そのメディアが応援する方が市民の敵になる。
●従来の対立構図が崩壊:両者の広告費(バイデンが投入した広告費がトランプの2倍)が象徴するように、共和党支援者は金持ち、民主党支援者は貧乏人という構図が崩壊した。尤も去年からそういう傾向は見えており、それがヒラリー・クリントンの敗因の一つにもなったわけだが。
金しかないバイデン:テレビ討論会が示したこと
上記の見通しの上で、私が合衆国民でもし私に選挙権があればどちらに投票するか?と言えば、もちろんドナルド・トランプだ。
決して彼を積極的に支持するわけではない。「大統領の椅子を金で買う」。前回の選挙でそれは当初はヒラリーの対戦相手の印象だったが、選挙を半ばを過ぎてからヒラリー自身の実像となった。そして今回も引き続き民主党候補のキャッチコピーとなった。ここに民主党の大失敗がある。トランプ打倒のためなら金に糸目をつけないマイケル・ブルームバーグが、なりふり構わずジョー・バイデンの大の御贔屓だ(バイデン氏に百億円投入へ 南部激戦州で前NY市長)。バイデンを支持している連中は、ただ、「トランプが嫌いだ、あいつにあと4年もやらせたら大変なことになる」という根拠のない恐怖感に駆られて金を注ぎ込んでいるに過ぎない。そんな破廉恥な連中に賛同するほど私は馬鹿ではない。大統領の椅子を金で買うような奴になんか金輪際投票したくない。私だったらそう思う。もちろんトランプのそれ相当の金を注ぎ込んでいるだろう。しかし彼は納税証明書を隠しても選挙に膨大な金を注ぎ込んでいることを隠しはしない。その方が「潔い」と私は思う。
選挙民を買収しようとする恥知らず(青天井の献金、最終盤を左右 バイデン氏広告費2倍)なだけでなく、あいつには大統領としての執務能力にも欠けていると私が判断するのには相当の根拠がある、絶好の機会のはずだった討論会で二度とも絶好のカモにできるはずだったトランプを利用するどころか、討論能力は彼と
対等=同じレベルにまで落ちたことを視聴者に見せつけた。あれだけの醜態を晒したということは、本人が無能な上に、さらに彼を支えるスタッフもいないことの何よりの証拠だ。「何とかこいつを当選させホワイトハウスで美味しいポジションを確保してやろう」という野心を漲らせ、よぼよぼバイデン相手に徹底的に想定問答を仕込む。そんな奇特な連中がいなかったことをテレビ討論会は示している。
大手メディアの贔屓→貧乏人のひがみ根性がバイデンを引き倒す
「黙っていりゃあ、いい気になりやがって、今に吠え面かかせてやる」 太平洋の東西を問わず、貧乏人の集団であるサイレントマジョリティにとっての不倶戴天の敵は、今回の選挙戦でもTVCMで大儲けした大手メディアである。どっちが勝とうと大儲け。その大手メディアが利益相反てんこ盛りでバイデン有利を伝えれば伝える程、サイレントマジョリティの闘志は燃える。
知ってる悪魔:「現職優位」の意味
一方トランプはバイデンよりも4歳若いだけだ。しかし2017年に就任した大統領職が初めての公職で、いまだに反体制派を自任するように政治年齢も若い。そして今後合衆国を襲うであろう難題の数々を考えると、彼自身の幾多のスキャンダルだけでなく、COVID-19さえも難なく切り抜けた悪運の強さは大いに魅力的である。中国、北朝鮮、(今はCOVID-19が猛威を振るっているので、今のところは大人しくしている)ロシア、そのロシア相手の時にしか協力しないEU。そんな四面楚歌の合衆国を、4年以内に確実にゼロ金利バブル破裂が襲う。その時に仁王立ちになれるのは、あの暴走老人だけだ。ひたすらCOVID-19に怯え、何のエビデンスもないマスクを手放せない腰抜けに何ができるというのか。
さらに現職としての利点がある。何もできない・やったこともないバイデンが大統領になったら合衆国がどんなに恥ずかしい国になるか誰も予想できない。しかし彼の対戦相手は、自分が大統領だったこの4年間、合衆国民が引き受ける悲劇がどんなものであるか、そして合衆国民はそれに堪え忍べることを明確に示した。さらに現職が負けたら勝った時以上に滅茶苦茶なことになることも選挙の前に彼自身で開示した。だったら、諺にもあるように、引き続き彼を大統領にしておく方がまだましだ。
→Who fired Donald?
→コロナのデマに飽きた人へ
→表紙へ