距離感

我々は、自分の所属組織がおかしくなってくると、自分の存在意義そのものが脅かされるような錯覚を起こしがちですが、そうではないのですよね。医療崩壊が起こっても、医師としての自分が消滅するわけではない。ただし、組織や、その背景にあるシステムの崩壊に巻き込まれないように、自分と組織との距離を常に意識していなければならない。

英国陸軍省と大本営

翻って、あちこちを転々としてきた我が身を鑑みると、組織との距離が接近しすぎて、危険を感じる度に、私の方から、組織を離れていったように思える。

距離感・・・この深遠なる物。職場だけでなく、医局、学会といった組織との距離感、患者との距離感、そして、肉親や配偶者との距離感・・・・何年にわたって固定しておくわけには決していかない。日々のこまめな微調整と、数年先を見越した中長期の調整を同時に考えて行かなくてはならない宿命、この宿命を不愉快なストレスとしか捉えられないとしたら、あなたはまだまだ若さを誇っていい。

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