第2波は弱毒化のエビデンス―2:貯まるのは「こども銀行券」だけ
―米国・スウェーデン・日本:三者三様と共通点


左の図は米国とスウェーデンにおける,日々(累計ではない)のCOVID-19の検査陽性者数(上段:以下「陽性者数」と略。ここでは「感染者数」称する偽装工作は行わない)と死亡数(下段)の推移である(クリックして拡大)。データは例によって,COVID-19 CORONAVIRUS PANDEMIChttps://www.worldometers.info/coronavirus/ に拠る。

米国でもスウェーデンでも弱毒化の頑健なエビデンス
どちらの国でも,第1波では,陽性者の増加に引き続き死亡数が急激に増加している。それに比べ,第2波では全く様相が異なる。
1.陽性者数が激増しても死亡数は微増(米国)ないし,それまでの減少速度は不変(スウェーデン)だった

2.陽性者数と死亡者数の山の高さの比が第1波と第2波では完全に逆転している.どちらの国でも,第1波では陽性者数の山<死亡数の山=強毒性の証だが,第2波では全く逆に陽性者数の山>死亡数の山=弱毒性の証である.第1波と第2波の間にあるこのような相違は,第2波におけるSARS-COV2の弱毒化の何よりの証拠である。それ以外に説明理由が見当たらない。もし他に理由が考えられるのなら是非とも教えてもらいたい。

なお,米国で7月上旬以降,死亡率が緩やかながら上昇している理由として以下のような可能性が考えられる。
●第2波を形成するウイルスの弱毒化がスウェーデンほど進んでいなかった。
●一部の地域で第1波が遅れて流行した。
また,イタリア,スペイン,英国など,米国やスウェーデンと並んで,対100万人あたり400-600人という多くの死亡者を出した国々で第2波の形成が見られていない理由として,都市封鎖の強度とそのタイミングの相違が挙げられる。この点については,別途詳しく説明した。

日本も同じ:検査陽性者数と死亡数の動きの乖離
では肝心の日本ではどうか?右の図は7月25日までの陽性者数と死亡数の推移である(クリックして拡大)7月に入ってから陽性者数は激増しているが,死亡数は全く動いていない。弱毒化の典型例の経過に見えるが,しかし「感染したからといって即死するわけではない.死亡数はこれから増えてくる」と考える向きもあろう.では,陽性者数の増加と死亡数の増加の間にはどのくらいのタイムラグ(個人での潜伏期間に相当)があるだろうか?このタイムラグは実際にCOVID-19 CORONAVIRUS PANDEMICにアクセスしてピークにポインタを合わせれば誰でも簡単に分かる.たとえば,日々の推移のピークが明確なスウェーデンのグラフから第1波の経過を見ると,陽性者数の最初のピークと死亡数の最初のピークの差は長くとっても8日(陽性者数の最初のピークが4月7日の738名,死亡数のピークが4月15日の115名)である。これをそのまま日本の第2波に当てはめると,陽性者者数が5月12日の121人以来,1ヶ月半ぶりに100を超えて117となった6月30日以来,4週間経った7月27日まで,死亡数は一貫して3人/日を超えていない.
それでも,「隠れコロナ死」を懸念する向きもあるやもしれぬが,この点も心配御無用.4月に引き続き,5月も超過死亡はない.(人口動態統計速報,令和2年5月分).次の,第2波は弱毒化のエビデンス―3では,第1波と第2波の違いという観点から日本のデータをより深く見てみることにする.

患者数を偽造する-「感染者数」という名のデマ
第2波は弱毒化のエビデンス―1
第2波は弱毒化のエビデンス―3
第2波は弱毒化のエビデンス―4
コロナのデマに飽きた人へ
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