[混合診療]という概念の本質は、保険診療と保険診療外の診療行為自体が混在するのではなく、保険給付(一部負担金を含む)と保険外の患者負担との混合、すなわち「費用の混在」を指す。 平成15年3月 日本医師会医療政策会議
保険病名を使ったことのない人は,こんなところを読む必要はない.あなたがもし,保険病名を使ったことがあるのなら,そして,混合診療問題に少しでも関心があるのなら,以下も読んでもらいたい.
保険病名をつけること自体は,立派な混合診療である.なぜなら,適応外使用は保険給付外診療。保険診療と保険給付外診療を一緒にやるのが混合診療(これは混合診療に反対する日本医師会の定義).だから、保険診療と適応外使用は混合診療。そう、混合診療に反対する医師会の先生方も、実は混合診療しているじゃないですか。
どうして,保険病名なんて,姑息な手段を使わなくてはならないのでしょうか?我々は何もやましいことをやっているのではない.学問的に考えて妥当な診療行為を行っている.ただ,現場を知らない頑迷な厚労省が適応を認めていないだけだ.非は厚労省側にあるのに,それを,法的根拠のない混合診療禁止に違反し,かつ不正受給として,保険医療機関取消にするなど,盗っ人猛々しいにもほどがある!→藤枝市立病院事件 なのに、みなさん、どうして藤枝市立病院事件のことを騒がないのでしょうかね。
頑迷な厚労省が認めない適応でも、保険病名を使わずに済む道があります。それが、武見太郎先生が当時の橋本龍太郎厚生大臣に申し入れて作って下さった五十五年通知です。これがあれば、武見太郎先生を尊敬している支払基金の先生方も、適応外使用に柔軟に対応できると思うのですが、いかがでしょうか?えっ?そうではない?それはなぜですか?
もし、五十五年通知が活用されていないとするのならば、それは、支払基金の先生方が、厚労省や財務省の走狗となり,武見太郎先生の折角の御恩を踏みにじっていることになりますぞ.
いわゆる橋本文書 ( 日医発第 211 号への厚生大臣の回答
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日医発第 211 号への厚生大臣の回答
昭和 54 年 8 月 29 日
日本医師会長 武見太郎殿
厚生大臣
橋本龍太郎
8 月 21 日付の貴翰に次のとおり回答いたします。
1. 薬効表示について、医学と医師の立場が全く無視され、製薬企業の資料のみによる病名決定で用途が規定されることは誤りでありました。厚生大臣としては、薬理作用を重視するものであり、能書については、薬理作用の記載内容を充実する方向で改善するよう、薬務局に対し指示いたしました。従って、医師の処方は薬理作用に基づいて行われる事になります。
2. 社会保険診療報酬支払基金においても、これを受けて学術上誤りなきを期して、審査の一層の適正化を図ることとし、また、この点について、都道府県間のアンバランスを生じないように、保険局に対し指示いたしました。
3. 以上により、医師の処方権の確立が保障されるものと考えます。
4. 国民医療の効率化を図るためには、プライマリー・ケアの確立等地域医療の充実が必要であり、また、これとともに、医学常識から極端にはずれた診療等に対して、その是正を強力に進めてまいる所存であります。
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この回答に基づいて,55年通知が出た.