長崎県人のコミュニケーション

多分,長崎ばかりではなく,日本,ひいては儒教文化圏の多くの地域で多かれ少なかれそういう傾向はあるのだろうが,東京で生まれ育った私が感じ,やはり東京や関西,名古屋といった人の出入りが激しく,余所者同士の交渉が日常的に行われる地域から来た人の共通した見解が下記である.

○関東や関西のような出入りの激しい土地柄では、いろいろな人が、自分の生まれ育った土地の感覚で、好き勝手なことを言う。 そこで、必ず葛藤が生まれる。そこには全ての関係者に共通の暗黙ルールなどないから、その都度、落としどころをどこにするか、交渉して決める必要がある。交渉にも共通のルールはないから、両サイドから、恫喝、利益誘導、根回し、多数派工作など、あらゆる手段が動員される。

○しかし、長崎県人とのコミュニケーションの際には、上記の葛藤の要素が極めて乏しい場合がある。とくに男性から女性、上司から部下というように、儒教的な上下関係に沿ってお願いする時には、驚くほど抵抗が少ない。上意下達(じょういかたつ←読み方を生まれて初めて調べた.),唯々諾々(いいだくだく←同じく)が当然の行動規範になっているように思える.

○だから,男性にとっての女性,年長者にとっての年少者,上司にとっての部下というように,自分より「下」(と思い込んでいる←なぜ,どのような判断基準で,自分が上で相手が下なのか全然考えていない)の人間が自分の言うことを聞かないとか反論するとかいう状況を十分経験していない.たまにそういうことがあっても,その状況を認識できずに自然に無視してしまう.

○だから,交渉,説得,根回し,利益誘導,相手の譲歩を誘導する といった基本的なコミュニケーション技術が全く発達しない.

○だから,自分より「下」と思う人間の感情が理解できない.理解しようとも思わない.

○だから,自分より「下」と思う人間が全く言うことを聞かないと,相手が火星人のように見える.

○火星人なら,好き勝手なことをやっているのも仕方がないかと無理やり自分を納得させて,火星人との交渉を避けようとする自分の行動も正当化してしまう.そもそも交渉という概念がないのだが.

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