言わずと知れた坊主のことだ.どちらも四苦八苦のうちの四苦,すなわち,生,老,病,死にネタに,人の弱味につけ込んで金をふんだくる商売だ.だから,
家訓により,坊主と医者の言辞は,これを信用しないことになっている.(河谷史夫)
人に頭を下げないで金をもらうのは医者と坊主だけだ(西鶴 新可笑記巻二 炭焼も火宅の合点)
ということになる.このように商売の本質が似ているから,対顧客関係もそっくりとなる.
菩提寺/檀家と主治医/患者という人間の力関係の図式,不明朗会計,拝金主義への誘惑,業界内部の情報開示の遅れ,何もかもうりふたつだ.
坊主の世界を知るために格好の本がある.読んで絶対に損はない.自信を持ってお勧めする.
大林智詳著.ご臨終です.小学館.本体価格1165円.