月曜の心臓発作

スコットランドでは,心筋梗塞による死亡が多いことは別項で述べた.今回は心臓はカレンダーを読めるという話である.

英国医学誌(British Medical Journal)の2000年1月20日号に掲載された論文によれば、スコットランドでは、50歳未満の男性で冠動脈性心疾患(CHD:池田注:心筋梗塞と考えて下さい.)で死亡する人は月曜日には週のその他の日に比べて19.2%多く、同じ年齢の女性では20%も多かった。

スコットランド国立健康局の情報・統計部に属するJames Chalmersらは、1986から1995年の10年分のスコットランドの罹患記録から、この最新の結果をまとめた。彼らは月曜日には死者が多いこと、特に、以前に冠動脈性心疾患の治療を受けたことのない人、および病院以外の場所での死亡が多いことに気づいた。

1つの考え方は、週末にはパーティなどで、ウィークデイよりも酒を飲む量が増える人が多いため、心臓に余計な負担がかかり、特に次の週が始まって酒が切れてくるとそれが耐えきれないものになるのではないか、というものである。アルコールに関連した緊急入院のピークは金、土、日曜日にあるという事実は、この考えを支持するものである。Chalmerらは、この2つの間には関連があると思えるし、公衆衛生学上、重要な意味をもちそうなのでさらに調査すべきだろう、と述べている。

表紙へもどる