脳代謝改善剤(やっぱりいくら考えてもすごい名前)がコンビニの店頭はおろか病院の薬局にも置いてもらえなくなった.アメリカの経済誌に”効きもしない薬”と槍玉にあげられ,効かない薬にばく大な金が使われていると大蔵省に指摘され,実際にその通りだった.素人に足を見すかされたのだ.やはり世の中すべて金だ.
厚生省;高齢化社会に向けての一大プロジェクトとしての抗痴呆薬研究開発に予算が欲しいのですが・・
大蔵省;結構なことです.でも財源はどうしましょうかね?
厚生省:(・・・・・)
大蔵省:どうです,本当に馬鹿につける薬ができれば,脳代謝改善剤なんか要らなくなるでしょう.だったら,あんな薬なんかやめちまうっていうのはどうですか?
厚生省:我が省が認可して,実際に処方されている薬を,ですか?
大蔵省:何千億円もの無駄遣いをなくした上に,それに見合った研究費が出るというのは,厚生省にとってもいい取引だと思いませんか.それに,効きもしない薬で副作用が出て担当者が訴えられるというリスクもなくせますよ.
厚生省:そちらから効きもしない薬と言われる筋合いは・・・
大蔵省:そうですよね.血友病患者のHIV感染問題で国会に呼ばれ,裁判の被告になった課長は運が悪かっただけですよね.ホパテの副作用で死んだ患者の数は血友病HIV訴訟の原告数より多いのにね.気楽なもんだ.でも,たとえ副作用が起こらなくたって,効きもしない薬を飲まされて金を払っていた患者から金返せって言われたら,どうしましょうかねえ.金のことですから,我々が心配していればいいんでしょうかねえ.
と,こんなやりとりがあったかどうかは知らないが・・・
ところで今度はインフルエンザワクチンの再評価のキャンペーンを張ったらどうですか,朝日新聞さん.
脳代謝改善薬の再評価に関する偏りのないコメントが,日本医師会雑誌120巻第9号”脳代謝改善薬は今後どうなるのか”で読める.この問題を真剣に考えたい人はご一読あれ.