医学部の青田刈り

人の命を預かる医者の人材確保方法を,誰も真剣に考えていない.すぐ医学部の試験方法をどうするかって議論になるけど,試験をどうこういじくって人をふるい落とそうとするnegative selectionばかり考えているから,結果的におかしな人間ばかりが集まるんじゃないだろうか.論文や面接をどんなに工夫したって,その人間の6年後の行動まで見抜けるわけじゃない.それに試験の倍率が高けりゃいいってもんじゃないことは,国立二期校時代の東京医科歯科大学医学部の競争倍率を見れば一目瞭然だ.競争率50倍を突破してお医者さんになった奴等の成れの果ては,私はよおおーーく知っている.

日本の臨床医学のレベルが先進国の中でも最低だとか,ノーベル医学生理学賞が取れないとか嘆くのだったら,もっともっと医学部の魅力を宣伝して,強い動機付けを持った優秀な人材を集めたらどうだろう.negative selectionではなく,positive selectionをするのだ.それこそ,青田刈りで,夏休みに興味を持って来てくれた高校生を研究室に招き入れて,一緒に実験をしたり,セミナーを開いたりしてはどうだろう.九大の薬学部なんか,積極的に高校生に呼びかけているぞ.

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