アルツハイマー病の研究をやっていました
(随分と古い,1996年に作ったページです.グラスゴーにいたのは90-92年です.それをご承知の上でお読みください)

グラスゴーでは,アルツハイマー病で亡くなった患者さんの脳で,イオンチャンネルの変化をオートラジオグラフィーを使って研究していました.イオンチャンネルというと,すぐ生理学の実験を思い出す方も多いと思いますが,私の場合はもちろん電極を使う訳ではなく,イオンチャンネルに特異的なリガンド(結合体)を使ってその分布や密度を見ていました.イオンチャンネルは細胞の活動に非常に重要な役割を果たしているにもかかわらず,病態での変化はほとんど追求されていなかったので,そこを調べてやろうと思ったわけです.

グラスゴーでは患者さんの初診から亡くなったあとの検索まで,医者,コメディカルのスタッフ,臨床心理学者,薬理学者,病理学者がチームを作って診療にかかわっていました.brain bankの組織作りは地味な仕事ですが,死後の検索を系統的に行って,その結果を臨床へ還元することはとても大切です.日本では大学別の囲い込みが災いして,そのような動きが全くないのは残念です.

仕事の詳しい内容については専門的に過ぎますのでここでは触れません.興味のある方は論文をご覧下さい.→発表論文を見る

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