もっぱら腎臓内科で商売をしていた二十年選手の友人が,たまたま緩和ケア病棟勤務になって,新たな仕事に親しみを覚えるようになったとの手紙をもらっての返事.
年齢により仕事の内容への親和性が変化するのだと思います.若いときは,自分の可能性を見限ることなく,自分に残された時間を意識することなく,診断能力を向上させ,治療の腕を磨こうとするのですが,自分の能力の限界と自分に残された時間を強く意識するようになると,如何ともしがたい身体能力,知的能力の限界や,時間の限界とともに生きる人に共感し,そういった人々を支える仕事の方に魅力を感じるようになる,重症心身障害者病棟や高度痴呆患者の閉鎖病棟勤務に,なぜ自分が親和性を感じるようになったかを考えた末の結論でした.